こだまつぎよし・他「泉・別冊R」(200円)
・こだまつぎよし「片面美女」
「千代と光子の母親はシングルマザーであった。
彼女は派手好きで、二人の娘を金持ちと結婚させ、安楽な生活を送ることを夢見る。
姉の千代は器量よしで、県会議員の息子の友彦と婚約にまでこぎつけるものの、母親が短気を起こし、煮えた油を顔にかけたため、顔の左半分に醜い傷痕ができてしまう。
そのために千代は婚約を解消され、母親は失意に陥るが、友彦は次に光子と仲良くなる。
また、千代にも資産家の息子との縁談が舞い込むが、婿に絶対に顔を見せないという条件がついており、千代は拒否し、離れに監禁される。
その間、友彦と光子は山でデート中、崖から落ちて死んでしまう。
母親は千代を何とか結婚を承知させようとするが、千代の決心は固く、母親は衝動的に彼女を鎌で殺してしまい…」
・泉久子「悪夢」
「朝子は夏休みを湖近くの別荘で過ごす。
この別荘は彼女が夢でその存在を知ったのであった。
更に不思議なことに、別荘に着いて三日連続して同じ夢を見る。
夢の中で、朝子は黒猫に案内され、荒れ果てた屋敷に入ると、「ここから出して」という声がどこからか聞こえてくるのであった。
散歩の際、朝子はその屋敷が別荘に近くにあることを知り、遂に朝子は夢遊病のようになり、夜中に出かけようとする。
心配した母親は大石寺の住職に屋敷について聞きに行くと…。
荒れ果てた屋敷にまつわる悲惨な過去とは…?
そして、朝子との関係は…?」
・みなみかつみ「黒い山」
「ゆりは夏休みの大半を別荘地で展覧会に向けた絵を描いて過ごす。
ある日、彼女が山の絵を描いている横に見知らぬ娘が来て、同じ山の絵を描き始める。
娘はゆりに「山の絵が白っぽい」等、散々嫌味を言い、気分を害したゆりが車で帰宅しようとすると、乗せるようねだり、車にもたれかかる。
それどころか、車に黒い絵の具で落書きを始め、激昂したゆりが車を急発進させると、撥ねられた娘は死んでしまう。
ゆりは崖から死体を落とし、犯行はばれなかったが、彼女の描く山の絵がどんどん黒くなっていき…」
こだまつぎよし先生「片面美人」は傑作です。
明朗な絵柄でありながら、内容は実にバッド・テイストで、丘野ルミ先生の怪奇マンガと共通する味わいがあります。
みなみかつみ先生は絵柄から判断すると鳥海やすと先生の別名でしょう。
よくある「幽霊の復讐」テーマですが、どう考えても、殺された方に非がありまくるのでスッキリしません。
雰囲気のある絵なのに惜しいです。
・備考
ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。全体的に水濡れの痕、ひどし。後ろの遊び紙に貸本店のスタンプや書き込みあり。
2026年3月12日 ページ作成・執筆