鳥海やすと「怪談・ねこ」(200円)
「関宿にある松平康成の屋敷。
康成の息女、桜花姫は、家臣のさおとめ門土に惚れていたが、彼は腰元の利加と相思相愛の仲であった。
桜花姫は利加を憎み、その飼い猫のタマも虐待する。
ある日、姫は一計を案じ、タマの毛を一掴み、手に入れる。
そして、家宝の水つぼをわざと割り、その付近にタマの毛を散らしておく。
利加は、飼い猫が家宝を傷つけた責任により、処刑となる。
さおとめ門土は利加を救おうと仮死状態にするが、別の家臣の左近に見破られ、利加は斬殺される。
憎い恋敵を死に追いやった桜花姫であったが、以来、周囲で異変が続出。
また、母親代わりに慕っていた側近の羽芽(うめ)は何者かに毒を盛られて、寝たきりになる。
頼る者がいなくなり、桜花姫は、利加の亡霊や化け猫に始終怯やかされることとなる。
挙句の果てには、庭の池に利加の腐乱死体が浮いている始末。
さおとめ門土は、利加の埋葬された林宗寺へ行けば、事実がわかると、桜花姫を誘うのだが…」
古典的な怪談ではありますが、「オシャレ」な絵柄で読ませるのは流石!!
この絵柄は半世紀経った今でも色褪せません。(私は、他の漫画家の絵柄の猿真似でないためだと思ってます。)
加えまして、この清楚な絵柄でグロ描写をされると、この落差がなかなか…衝撃です。
あまり多くはないのですが、予想以上にヘビーな残酷・グロ描写がきっちり盛り込まれており、子供だましな印象はありません。
良作だと私は思います。
ちなみに、巻末の読者コーナーで「藤原えい子」先生のイラストが掲載されております。
こんなところにも、応募されていたのですね。
・備考
カバー痛み(背表紙上部補修、後ろの袖下、欠損)。セロファン紙の剥がし痕あり。前の遊び紙、上部に穴。全体的に、シミや汚れ多し。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けと書き込みあり。
2017年12月21日 ページ作成・執筆