渚かよ子「ゆうれい天使」(240円/ひまわりブック419)
・「ゆうれい天使(第1部) おしとやか……?時ちゃん」
「日向賀時也は日向賀家の長女、かつ、生花日向賀流の家元の娘。
家元は長女が継ぐことになっているが、本人は男勝りの腕白な性格で、生花には全く興味なし。
ある日、彼女が家の木に登ると、枝に、誰のものかわからないペンダントが引っかかっていた。
女の子らしくないとは言え、彼女はそのペンダントがとても気に入る。
だが、それは、若くして亡くなった静香という少女の幽霊が、天国に向かう途中、落としたものであった…」
・「ゆうれい天使(第2部) わたしはゆうれい天使よ」
「時也のボーイフレンド、真木田太郎。
彼は二週間前に転校して来た少年で、アル中で博打好きな父親のせいで苦労していた。
時也はその家庭事情を知らず、太郎が往来でヤクザに絡まれていた父親を助けようとしなかったことに腹を立て、彼に冷たく当たる。
しかし、学校から帰宅後、時也に電話がかかってくる。
電話は脅迫電話で、妹のフウコを誘拐したと、身代金を要求される。
警察には知らせず、時也は、太郎と共に、誘拐犯人の指定場所に向かうのだが…」
・「僕の恋人さん」
「関谷明の家に急に居候することになった本木美加子(19歳)。
彼女は福島出身で、料理学校に通うために東京に出てきた。
明の母は、美加子の母親に世話になったことがあり、彼女を喜んで迎えるが、明はそれが気に入らない。
気に入らないのはそればかりでなく、彼女の明るさや親切が一々気に障る。
ある日、彼女に男の来客があり…」
「ゆうれい天使」は明らかに失敗作です。
何故かというと、ペンダントの持ち主である幽霊がストーリーにほとんど絡まないのです。
最初と最後の方にだけ出てきて、何の役に立ったのかさっぱり不明です。(一応、説明らしきものはありますが、説得力は皆無です。)
それよりは、普通の青春漫画の「僕の恋人さん」の方が面白かったです。
・備考
カバー貼り付け、また、それによる歪みあり。カバー上部が欠損。糸綴じあり。p1上角、「42」の書き込みあり。シミ、汚れ、切れ、たくさんあり(p64の汚れはかなりひどい)。巻末に貸出票の剥がし痕あり。
2021年10月7日 ページ作成・執筆