西川ジュン「ジュン生」(2000年8月5日発行)
・「ケーキング」(「月刊ホラーウーピー 1998年8月号」)
「ケーキ大好き女子高生、このえは、ケーキ食べすぎにより、甘いフェロモンが出る体質になる。
そのフェロモンは、男という男、雄という雄を、種族を問わず、生死を問わず、虜にしてしまうものだった…」
・「世界第二位」(「ホラーウーピー 1999年冬号」)
「ばい菌を見ることのできる潔癖少女、さやか。
彼女は、ある奇妙なお店で、「体清潔度計」というものを勧められる。
これは付けた人間の中で、清潔度に従って、順番が表示されるというもの。
これを入手してから、さやかは一位を目指す…」
・「ビストロイド・リサ」(「ホラーウーピー 1999年春号」)
「紺野リサはフランス料理に当たり、心身ともにフランス人になってしまう。
日本語は全て分からなくなり、外見も金髪の碧眼…リサは途方に暮れる…」
・「視力∞」(「ホラーウーピー 1999年秋号」)
「近眼がコンプレックスである菊池織江。
ある日、織江は奇妙な店で「∞拡大レンズ」というものを勧められる。
これは眼鏡についているボタンを押すと、どんな遠くのものでも拡大して見られるというものだった。
しかし、外す時は倍率をものに戻してから、外さないといけない。
一度、使用方法を間違えると…」
・「無味無臭」(「ホラーウーピー 2000年冬号」)
「扁桃腺炎持ちの、こてこての関西人高校生、大桃舞。
舞は、例年いつも通りに扁桃腺炎にやられるが、今年はいつもと違う。
扁桃腺炎が治まっても、嗅覚と味覚が戻ってこない。
舞の身体は味のない食物を受け付けなくなる…」
・「純金髪」(「ホラーウーピー 1999年春号」)
「金髪女子高生、竹本やよいは、大勢の人間から追われる身。
というのも、彼女の髪の毛は「純金」でできており、一本「百万円」もするからだった…」
・「感染バット」(「ホラーウーピー 1999年夏号」)
「宮本あおいが迷い込んだパラレル・ワールド(?)には「感染バット」というものがあった。
これは、風邪、水虫、癌、心臓病といった病気を持っているものが、このバットで尻バットすると、尻バットした相手に病気や症状を移すことができるという「スグレモノ」だった。
その日、あおいのクラスでは「妊娠体験学習」が催される…」
・「ゴキブリ」(「月刊ホラーS Vol.1 1997年」)
「ゴキブリが大の苦手な少女、彩香は、ゴキブリの存在しないパラレル・ワールド(?)に入り込む。
ここには「コキフリ」はいても、ゴキブリはいない。喜ぶ彩香だが…」
恐ろしくクセがあるものの、魅力的かつ元気な女の子達がコマいっぱいに駆け巡る作品集。
とても面白かったです。久々にゲラゲラ笑って、読みました。
お気に入りは「感染バット」です。アイデアもさることながら、サイコ〜のオチでありましょう。
基本的には怪奇色は非常に薄いのですが、「世界第二位」だけは強烈なサイコ・ホラーでありまして、後味悪いです。ご注意くださいませ。
平成27年1月23日 ページ作成・執筆