浜慎二「黒ねこ」(小学三年生6月号/1968年6月1日発行)
「新居に越してきたミチ子と両親。
しかし、入居した夜から、ミチ子は寝室で黒猫を度々見かける。
更に、寝室の壁の向こうからは少女の泣き声のようなものが聞こえてくる。
両親はミチ子の訴えを信じなかったが、ミチ子が猫に襲われるに及んで、ようやくミチ子の言葉を信じる。
しかし、猫の姿も猫が隠れるようなところも見当たらない。
また、泣き声が聞こえるという寝室の壁も大工によると、どこも異常はないとのこと。
とりあえず、しばらくの間、ミチ子は母親の寝室で共に休むことになる。
だが、その夜、寝床にいたミチ子は急に起き出し、黒猫に操られるように物置に向かう。
そこでミチ子は意識を失い、彼女の上に少女の絵が倒れ掛かる。
この絵の少女は一体誰なのだろうか…?
そして、この家にまつわる悲しい出来事とは…?」
ポー「黒猫」っぽいかと思いきや、浜慎二先生お得意の「絵画怪談」でしめてくれます。
ただ、過去の悲劇と現在の怪奇現象の間の因果関係が釈然とせず、読後感はすっきりしません。
こういう説明不足は、浜慎二先生にしては珍しいと思います。
ちなみに、この付録の裏面には、ムロタニツネ象先生の「ファイトだ!!ピュー太」が載っております。(詳細は割愛させていただきます。)
2017年5月21日 ページ作成・執筆