「コミックVAN 1973年2月1日号」(130円)
収録作品(個人的に、気になったものを紹介)
・岩越国雄「獣」
「ベクターステレオのキャビネットを専門に製造している工場。
従業員は五十人足らずであったが、その全員が株主で、働きによって配当が決まる。
また、科学合理的な運営のため、トラブルは全て金銭で解決することになっていた。
ある日、大石という男子工員がポリエステルが気管に詰まり、呼吸困難を起こす。
医務室の医師は病院に運ぶよう勧めるが、マスコミに騒がれることを恐れ、社員会議では医師に最善を尽くしてもらうことに決定。
医師は仕方なく、エベセンという興奮剤を注射するが、交感神経がMAXになり、片想いしていた秋山夕子を要求して大暴れ。
会社をスキャンダルから守るため、工員達は、夕子を生贄にしようとするのだが…」
・山上たつひこ「人間共の神話」
この雑誌には「第二章/その二「リトル・ボーイの息子」」が掲載されております。
「人間共の神話」は、山上たつひこ先生の未完の作品で、小学館クリエイティブ・発行の「単行本未収録傑作選・3」に収録されております。
雑誌掲載分を読んだだけですが、「非我ドン(注1)教」という新興宗教に、墜落したB29号から原爆が消えたという展開で、めちゃくちゃ面白そう!!
読まねば!!
・日野日出志「蛇屋の怪」
「代々、蛇の各種料理や蛇革加工品の販売をしている店。
店の主人の老人は蛇革の加工の職人で、死んだ息子の嫁は蛇料理を専門とする。
主人の妻の老婆は寝たきりの身体であったが、主人と息子の嫁が、息子の四十九日も済まないうちに、できていることに気付いていた。
息子の霊は、蛇を使い、妻へ復讐する…」
日野日出志先生はこの頃、岩越国雄先生と知り合ったのでしょうか?
機会があれば、詳しいことをお聞きしたいものです。
・注1
「ドン」の漢字は、女偏に、真ん中に「束」、右側に「ぼくづくり」。
2020年6月2日 ページ作成・執筆