「土曜漫画 1967年6月23日号」(70円)


 個人的に、気になった作品

・「ああ!僕が童貞を失ったとき」
 まあ、タイトルを読めば、あらかた想像つくと思いますので、内容紹介は割愛。
 文章を寄せた11人のうち、五人が落語家さん(敬称略)で、桂歌丸、金原亭馬の助、三遊亭歌奴、林家三平、春風亭柳昇と渋い面々。
 顔写真が若くて、感慨深いです。(歌丸さん、男前でびっくり。)

・矢野徳「くの一空を見る」
「桔梗は甲賀の里のくノ一。
 彼女は庄屋の息子で詩人の半之助に感化を受け、人を殺すだけの自分の存在に疑問を持ち、自由に憧れるようになる。
 桔梗と半之助は共に逃げようとするも、甲賀の首領により桔梗は両目を、半之助は男根を失う。
 三年後、ある女郎屋に甲賀の首領がやって来る。
 彼は米一俵の金で売られた妹を捜していた。
 妹は客から移された病気で死んでいたが、女郎屋には桔梗が働いており、彼は彼女を買う。
 そして、彼女を抱こうとした時、彼女の身体に異変が…」
 一種の「ミュータントもの」で、発想は面白いのですが、雑な絵がアンマッチ。
 いろいろと惜しいです。
 漫画そのものよりも、扉絵の「友人がビートルズ風の髪型で会社をクビになったことを憤る文章」の方が時代を感じさせて、面白かったです。

・篠原節「地獄谷温泉の情炎」
「一茶の句「春風に猿も親子の湯治かな」で有名な地獄谷温泉。
 上野駅→長野駅→長野電鉄急行で湯田中へ→バスで上林まで→山道を三十分歩いて到着。
 適当な旅館に宿を取り、野天風呂に入っていると、旅館で見かけた女性が入ってくる。
 彼女は丁子という近所の村の娘で、シーズンの時だけ旅館の手伝いに来ていた。
 突然、彼女は顔をそむけて、赤くなったので、見ると、雄猿と雌猿がいちゃついていた。
 宿に戻ると、先程の丁子が夕食を持ってくる。
 名物の「ちまき」に「キナコ」をつけて食べると、これが実にうまい。
 更に、名物の「まむしの精」を丁子に持ってこさせ、一さじ飲み、丁子にも一さじ舐めさせる。
 その後、床に就くが、興奮して眠れない。
 外の空気を吸いに出ると、浴場で…」

・岩浪成芳「恐怖のトランク」
「判事、検事、刑事が次々と凄惨な手口で殺される。
 彼らのもとには、殺される前日、謎のトランクが届いていた。
 ニュースを聞き、大脳生理学者の荻窪博士は思い当たる節があった。
 過去、彼は小金井末吉という脱走死刑囚を匿う。
 博士は、人体の不必要な部分を全て除去すれば、脳の活動は素晴らしく高まり、超人が生まれると考えており、小金井は絶好のモルモットであった。
 博士は小金井に手術を施した三日後、小金井は姿を消す。
 博士は彼は死んだと考えたが、本当は生きており、復讐を開始する。
 次に狙われるのは、小金井の愛人、公判で決定的な証言をした少女、そして、博士自身…」

・備考
 状態、ボロい。

2022年7月23日 ページ作成・執筆

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