「土曜漫画 1968年4月26日号」(80円)
個人的に、気になった作品
・いばら美喜「おぼろ月夜」
「S県五台市。
組長の妻、海野智恵子は、組長が無期懲役で刑務所にいるため、子分の三郎と関係を持っていた。
その町に一人の男が現れ、あちこちで人の行方を聞いて回る。
彼が捜しているのは、田原由美で、それは智恵子の本当の名前であった。
智恵子は殺し屋が自分を狙っているものと思い、夜、彼を橋の下に呼び出すのだが…」
いぶし銀のような名品です。
内容的にはキテレツなところはなく、どんでん返しが二重に仕組まれたサスペンス・ドラマです。
女性描写の美しさはもちろんですが、バーやスナック、おでん屋台といった、夜の町の描写が非常に流麗。
おでん屋台の親父がストリッパーについて話すシーンのセリフ回しは抜群だと私は思っています。
・滝田ゆう「オレのアイツはサクラちゃん」
「春、桜の咲く頃になると必ず、男はサクラという女性を思い出す。
学生時代、うぶな二人は夜桜の下で愛し合おうとしたが、お互い不慣れなため、うまくいかなかった。
彼が追憶に耽っていると、偶然に彼女と再会。
その夜、彼は想い出の場所で彼女とデートすることになるのだが…」
・岩浪成芳「魔性の女」
「熱海温泉で、新婚夫婦の蒸発事件が続発する。
記者の青年は、フィアンセの弘子と共に、熱海を訪れる。
そこで、彼は、見知らぬ美人から声をかけられ、峠にある屋敷に行く。
部屋では女が裸で彼を誘惑するが、女が取るよう頼んだ壷には毒蛇が入っていた…」
・備考
裏表紙の上部に破れ。
2019年9月14日 ページ作成・執筆