「土曜漫画 1968年6月21日号」(80円)
個人的に、気になった作品
・滝田ゆう「オオマイカアチャン」(「夫婦水泳まんが特集」の一編)
「プールにやって来た夫婦。
しかし、旦那は金づちで泳げない。
ところが、一物が金づちであることに妻はコーフン。
早速、帰って、夫は妻の身体にダイブするのだが…」
・岩浪成芳「地獄の歌」
「小谷博士の発明した放射能爆弾。
それは、動植物のみに作用する、画期的なものであった。
博士は反対するも、友人の軍人は実験を強行。
更に、大型爆弾の実験にて、博士をモルモットにする。
軍人は、嘆き悲しむ、博士の娘に言い寄り、娘と設計図を両方、手に入れようとするのだが…」
・矢野徳「双忍伝」
「くの一の菊は、惚れていた小猿という忍者の死を嘆き悲しんでいた。
そこへ、赤猫城の絵図面を手に入れるよう命令が下る。
赤猫城の城主は小猿の仇と聞かされ、菊は城主に処女を捧げ、側室となる。
一方、小猿は実は生きており、彼もまた、赤猫城へ料理人として入り込んでいた。
彼は、さばいた魚が半面だけになっても生きているという包丁の妙技を見せつけ、城主から信頼を得る。
しかし、家臣は彼を忍びの者と考え、彼の動向に目を光らせる。
ある夜、家臣が小猿を遠くから見張っていると、菊が庭をうろついているのを目にする。
彼は菊を試し斬りにするのだが…」
この作品はアイデアがなかなかハジケているので、紹介いたします。
まず、牛次郎先生・原作/ビッグ錠先生・漫画の名作「包丁人味平」に「活け造りにされ、頭と尻尾以外は骨だけの鯛が泳ぐ」という衝撃的なシーンがありましたが、それを先取りしている点。
そして、神業の包丁さばきで、人間の半身をさばいて、もう一人の半身とくっつけて、一人前の人間をつくるという展開が凄い!
ただし、矢野徳先生は絵があまりに雑で、肝心のアイデアがちっとも活かされていないことが多く、この作品も例外ではありません。
いばら美喜先生あたりが漫画化したら、傑作になったと思うのですが、残念…。
2019年5月25日 ページ作成・執筆