「土曜漫画 1970年5月8日号」(80円)
個人的に、気になった作品
・岩浪成芳「怨霊」
「ルミは不治の病で、医者にも見放される。
となると、今度は神頼みで、母親は「冥精神祈祷所」に相談に行く。
そこの祈祷師に娘を診てもらうと、助かる方法は「人間の生き胆」を与えるしかない。
彼はそこのお手伝いに目を付けるが、彼女は身寄りのない娘であった。
その夜、彼女の入浴中に祈祷師は風呂場に乱入し、彼女を犯した後、殺害。
ルミは生き胆を食べた後、奇跡的な回復を遂げる。
しかし、一年後、彼女の左の乳房に奇妙なできものができて…」
・篠原節「男を悦ばせる新潟女」
浪花節の「佐渡情話」から、作者が童貞を捨てた相手が吉原遊郭での新潟女であったことへと話が移り、糸魚川市の料亭で三人の芸者を呼んで感激した話になる。
とにもかくにも、新潟美人はサイコー!!と訴える漫画。
ルポ漫画というよりも、エッセー漫画に近いが、この作品が恐らく、篠原節先生の「土曜漫画」での最後の作品っぽいです。
・古賀新一「サイコ(気ちがい)」
アルフレッド・ヒッチコックの傑作「サイコ」のコミカライズ…なのですが、ページの都合もあり、映画に忠実なのは前半だけです。
んで、ラストは「蜘蛛男」と同じパターンだなあ…。
まあ、どんな作品から影響を受けようとも(強引に)自家薬籠中の物にしてしまう古賀新一先生の豪腕を窺い知ることのできる一編です。
2024年4月26・28日 ページ作成・執筆