横山まさみち「死者の足音」(冒険王付録/発行年月日不明)
「大学卒業後、貿易会社に就職した北上雄一。
しかし、そこの社長は麻薬の取引に手を出し、英語力のある雄一を仲間にしようとする。
会社を辞めようとするものの、雄一に残された選択は、協力もしくは死。
思い余った彼は、夜の会社に忍び込み、社長を背後から刺殺する。
強盗の仕業に偽装して帰宅するが、おかしなことに、社長の死が報じられない。
首を捻りながら、雄一が出勤すると、殺したはずの社長はピンピンしていた。
このことに衝撃を受け、雄一はなし崩しに協力することとなる。
そんな最中、雄一の弟、利夫が上京。
兄から事情を聞いた利夫は、東京で知り合った鷹男という少年を通じて、望月探偵に相談する…」
横山まさみち先生と言えば、「やる気まんまん」のイメージしかないのですが、調べてみたら、戦後の漫画界で大きな役割を果たした巨匠でありました。
少年・少女向けから成人向けなものまで、様々なジャンルのマンガを描いており、怪奇マンガも若干あるようです。
この作品は、厳密に言えば、怪奇マンガではなく、怪奇色の強いサスペンス・ミステリーものであります。
でも、まあ、時代(注1)を考えましたら、当時の子供には充分に「スリラー」であったでしょう。
内容的には、怪奇ムードをちゃんと盛り込み、ストーリー・構成もしっかりしているように思います。
いい仕事してますね。
・注1
裏表紙の裏に広告がありまして、手塚治虫先生の「ぼくの孫悟空」、武内つなよし先生の「ひよどり(天兵?)」、高野よしてる先生の「木刀くん」、うしおそうじ先生の「朱房の子天狗」(全員故人)といった作品の単行本が紹介されてます。
私は当時のマンガに関して専門的な知識をほとんど持ち合わせておりませんが、1950年代後半ぐらいでしょうか。
・備考
状態、非常に悪し。ボロボロ。裏表紙、上半分欠損。
2017年1月15日 ページ作成・執筆