古賀新一「こびと少女」(りぼん5月号付録/1968年5月1日発行)
「継母から虐待を受ける、醜い少女、妖子。
父親が留守の間は、犬小屋に住まわされ、食事は残飯ばかり。
継母は以前は優しかったが、ネズミの死体を見たショックから、頭がおかしくなったのであった。
ネズミのように卑小な妖子に継母は様々な虐待を加え、遂には、大量の飢えたネズミに妖子を襲わせる。
しかし、そのショックから、妖子は奇怪な変貌を遂げ、継母に復讐しようとする…」
これは凄いマンガです!!
冒頭の犬小屋に住む少女の描写からして、ヤバ過ぎです。
また、継母の狂いっぷりも、あまりにストレートで、高笑いする描写なんか、こちらも楽しくなってきます。(でも、意外と計算高いのがポイント。)
当時の古賀新一先生のスタイルに則ったもので、幼児虐待、ロウソク責め、喰いちぎられる指、ネズミの群れに全身をかじられる等、問答無用のショッキング描写が息つく暇もなく、展開されます。
そして、ラスト付近で登場する「RAT GIRL」!!
設定といい、造形といい、いろいろと問題をはらんでいるような気がしますが、とりあえず、「こびと少女」じゃないよなあ…。
ともあれ、当時、最大のライバルであったろう、楳図かずお先生に負けてなるるものかという意地が、半世紀経った今現在でも熱気を持って伝わってきます。
ちなみに、付録版の方では、登場人物紹介欄で、継母は女医で、お手伝いさんは看護婦と紹介されてます。
が、そんな設定、本編には全く出てきません。
なんちゅ〜か、おおらかな話であります。
ひばり書房黒枠単行本「わたしの葬式」に収録されております。
・備考
痛みあり。切れ、ところどころあり。p9、コマの外に人名の記入あり。本の半ば頃、ページの下側が後ろのページにくっつき、破れ。
2017年7月23日 ページ作成・執筆