灘しげみ「赤い目のミドリ」
(中岡俊哉・構成/1969年9月1日発行/なかよし第15巻第12号付録)

「ミドリの祖父は、石のコレクター。
 夏のある日、祖父が留守の間、ミドリは、男友達のいさおと一緒に、祖父の陳列室に入る。
 二人は、特に奇怪な石を集めた部屋に入るが、そこで最も目を引くのは「赤い目の石」であった。
 これは赤く光っており、インカ帝国のアム姫と戦士ダキとの悲恋にまつわる伝説が残されていた。
 その石を覗き込んでいるうちに、いさおは奇妙な幻覚に見て、思わず石を投げだしてしまう。
 その場に現れた祖父は、赤い目の石が粉々になっているのを目にして、ミドリを張り飛ばす。
 自分のせいでミドリが傷つき、いさおは信州の山で自殺を決意する。
 ミドリは単身、いさおを追い、彼を思い止まらせる。
 だが、そこで、二人は再び「赤い目の石」を発見。
 ミドリは、いさおが止めるのも聞かず、その石を叩き割ると、破片が左の目に入ってしまう。
 数日の入院の後、ミドリはすっかり回復し、家に戻る。
 しかし、彼女の左目が赤く光る時、彼女は、人の未来を視るようになる。
 ミドリは人の不幸を次々と予告し、それが彼女を追い詰めていく…」

 怪奇マンガと関わりのある灘しげみ先生と、中岡俊哉先生がタッグを組んだ(?)作品です。
 作中に、オカルトな挿話や伝説があったりするところが、実に中岡先生らしいです。
 灘しげみ先生も怪奇描写を頑張っておりますが、ストーリーに難点があるのが惜しいです。(信州に「赤い目の石」と同じものがあるのが、どうも納得いかない。)

・備考
 若干、ぼろい。

2020年2月6日 ページ作成・執筆

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