浜慎二「吸血の谷」(まんが王8月号付録/発行年月日不明)
「五郎少年と医師の大野は、五郎の兄のヨットで、カナリア諸島の沖合にある、謎の島を訪れる。
この島は、漁民達からは「死の島」と呼ばれ、恐れられていた島であった。
大野の目的は、この島に住むらしい「ゲンシジン」についての調査。
去年、マグロ漁船がカナリア諸島沖合で遭難する事件があり、大野は、救助された少年二人の治療を担当する。
少年達は身体中に薬物中毒特有の斑点ができており、死期は近かったが、彼らはうわごとに「ゲンシジン」について漏らす。
大野と同僚の医師二人は、彼らからの情報をもとに研究を重ね、この島に「ゲンシジン」の秘密があると確信を持つ。
そして、先月、同僚の医師二人は一足早く、この島に渡っていたのであった。
島の探検中に、五郎達は流砂に呑まれ、意識を取り戻すと、そこは地下の洞窟であった。
そばには大野の同僚の医師達の死体があり、彼らは何者かに殺害されていた。
訝っていると、突然、奇怪な風采の男が大野に襲いかかる。
どうにか撃退し、出口を探していると、氷室のような所に、日本兵の死体が並べて安置されていた。
どうにか洞窟から脱出するものの、またもや、奇怪な男に襲われ、大野は気絶。
五郎は危機に陥るが、男は月が登ったことに気付くと、谷に向かって歩き始める。
そして、谷の向こうから聞こえる吠え声に呼応するように、咆哮するのであった。
翌日、五郎が大野にこのことを話すと、大野は谷に「ゲンシジン」がいると考える。
彼は、五郎を残して、一人谷に降りていくのだが、彼がそこで目にしたものとは…?
また、日本語を話すらしい、奇怪な男の正体とは…?」
2019年12月11日 ページ作成・執筆