渡辺正美・絵/橋本修一・原作「悪魔のささやき」(小学五年生3月号/1969年3月1日発行)
「山田健二は赤面恐怖症の少年。
緊張すると、すぐに顔が赤くなり、それに対する羞恥心から、思ったことも口に出せず、その場から逃げ出してしまう。
そういうことが続いたため、友人は減ってしまい、その代わりに、鏡に向かって自分と話す癖がつく。
だが、ある日、鏡の中の自分が、腐乱死体のような容貌に変わる。
この腐乱死体のような分身は彼につきまとい、様々な場所で彼を襲う。
怪異現象はこれだけでなく、幽体離脱を体験して以来、彼は予知能力や霊視能力を発揮するようになる。
そして、迎えた大晦日の夜。
健二が神社で赤面恐怖症が治るようお祈りしていると、人ごみの中に潜んだ分身が「どえらいことをやらか」せば治ると言葉をかける。
反射的に彼はその場から逃げ出すが、森の中で男が女性を絞殺する場に遭遇してしまう…」
「ドッペルゲンガー」ものですが、非常に分裂的な内容で、よく理解できないところが幾つもあります。
ですが、「バッド・トリップ」の趣のある怪奇描写の数々がストロング・スタイルな絵柄でガンガン盛り込まれており、トラウマ・怪奇マンガとしてはかなりいい線いっているでしょう。
ただし、ラスト、赤面恐怖症が治った主人公の、あまりに優越感に満ち満ちたツラが、あまりにもムカつくので、個人的に帳消しになってます。
ちなみに、渡辺正美先生は「ウルトラマン」や巨大ロボットもののイラストで高名な方のようですが、私、ほとんど知識がなく、詳しい話はできません。あしからず。
2017年12月23・24日 ページ作成・執筆