好美のぼる「頭脳線甦ったミイラ」(1985年7月15日第1刷発行)

「原口梨花は、私立明華学園で、トップ・クラスの秀才。
 だが、彼女のテストの成績はカンニングによって得られたものであった。
 家族からのプレッシャーに加え、憧れの大原先生に振り向いてもらいたいため、梨花はカンニングに頼らざるを得ない。
 ある日、考古学者の父親は、研究のために、即身仏のミイラを家に持ち込んでくる。
 そのミイラは、当時の民衆を救うために即身仏となった浄海上人のものであった。
 また、浄海上人は非常に聡明なことで知られ、弟子達はそれにあやかるために、ミイラの脳ミソをこっそり盗んでいたらしい。
 自分の頭脳にコンプレックスのある梨花は、夜中、ミイラの脳ミソを少し盗み出し、その粉末を頭脳線に擦り込む。
 しかし、一度だけでは効果がなく、更に、ライバルの女生徒から大原先生とデートしたと自慢され、発奮した梨花は、脳ミソの粉末を服用する。
 すると、頭脳線が梨花が望んだように変化し、オツムの方にも効果は如実に表れる。
 だが、梨花の体内で、浄海上人の魂が復活。
 浄海上人は、民衆の苦しみを一身に背負うために即身仏になったのに、復活したため、その苦しみが梨花に降りかかると告げる。
 以来、梨花はどこか様子がおかしくなり、食事をほとんど摂らなくなる…」

 「手相恐怖シリーズ」第三弾は、即身仏のミイラに呪われる少女(まあまあ可愛い)の話です。
 相変わらずキワモノっぽい内容ではありますが、途中、仏教説話もどきのエピソードが挿入されるなど、好美のぼる先生の「おじいちゃんテイスト」が濃いように感じます。(説教臭く感じる人も多いと思いますが、個人的には、好美先生の道徳的な考えが窺えて、かなり好きです。)
 でも、チビッ子の読むマンガで、カンニングの方法を詳しく解説するのは、どうかと思いますが…。(詳しくはここをクリック→@A
 あと、めちゃくちゃ頭がいいと、頭脳線が手の甲まで伸びるというのは、かなりシュールな描写であります。(長けりゃいいってもんじゃないだろ!!)

2018年7月24日 ページ作成・執筆

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