日野日出志「四次元ミステリ ゴゴラ・ドドラ」(1981年8月15日第1刷・1984年7月15日第6刷・1986年7月15日第9刷発行)
「お隣同士の春彦とフーコ。
いくじなしの春彦と活発なフーコは、反発し合いながらも、互いに好意を持つ関係。
ある夜、二人が天体望遠鏡で夜空を観察していると、夜空に眩い光が幾つも広がる。
結局、光の正体はわからないままであったが、その光こそが翌日からの異変の前触れであった。
翌朝、フーコが目を覚ますと、家は巨大な木の根で覆いつくされていた。
両親の寝室に向かうと、そこには砂漠が広がり、両親の姿はない。
フーコを心配した、春彦の家族が彼女の家に駆け付け、フーコは春彦宅に避難する。
どうも春彦とフーコの家だけを残し、後は森になっているらしい。
皆が異変について憶測を巡らしている時、庭に宇宙船が墜落。
そこから瀕死の宇宙人が這い出して来る。
宇宙人が言うには、ゴムラ星雲の爆発により、宇宙津波が発生、その影響によりあらゆる空間・時間・次元が歪んでしまうとのこと。
その宇宙の危機を救うためには、伝説の「ゴゴラ・ドドラ」が必要らしいのだが、その説明を果たさず、宇宙人は息絶える。
そこへ宇宙津波が訪れ、春彦とフーコは歪んだ次元の狭間へ飛ばされてしまう。
二人は様々な次元を逃げ回り続け、その辿り着いた先にあるものとは…?
そして、伝説の「ゴゴラ・ドドラ」とは一体何なのであろうか…?」
何度読み返しても、感想は同じ…ワケ、わかんねェ…。
日野日出志先生の作品の中で、最大の「怪作」ではないでしょうか?
ノリは、1970年代に量産された、テキト〜かましまくった「SFジュブナイル」に近いと思います。
そこへ、日野日出志先生の場当たり的なモンスター描写が散りばめられ、支離滅裂なストーリーをますます混乱させます。
そうした目くるめく展開の末、迎えるラストは…なんちゅ〜か、こっ恥ずかしいです…。
と言うか、こんなんで、宇宙が救われちゃっていいんですか…?
レモンコミックスでの作品は基本、青少年向けに描いたのでありましょうが、この作品では、それによって、日野日出志先生のいい点が全て裏目に出てしまっているように思います。
でも、まあ、このヘソから気の抜けまくった「バッド・トリップ」的描写は、それはそれで味わい深い…かも…。
マニア間でも評価は低いようで、安く入手できますので、気になった方は是非読んでみてください。
2017年5月23日 ページ作成・執筆