浅井まさのぶ「恐怖!マリア学園の地下室に…」(1980年1月15日第一刷・1983年4月15日第七刷発行)
「東京の郊外、人里離れた小高い丘陵に新しく建てられた全寮制の私立ミッション・スクール、マリア学園。
佳子は親友の君枝と共に入学し、学園生活を楽しみにしていた。
開校一日目、直射日光の下で、園長先生が訓辞を垂れている間、君枝は倒れてしまう。
君枝は意識がなかなか戻らず、戻ったとたん、錯乱状態に陥る。
保険医は翌朝に救急車を呼ぶも、君枝は校舎の屋上から飛び降り自殺をする。
以来、佳子は君枝の幽霊を幾度となく視るようになる。
また、学園では奇妙な虫が発生する騒ぎが度々起こる。
佳子は、後任の保険医である青山先生が怪しいと考えるのだが…。
マリア学園では何が起こっているのであろうか…?
そして、園長先生の秘密とは…?」
立風書房のレモンコミックスを代表する一作と言っていいと思います。
「学園ホラー」ですが、約270ページというボリュームで派手なストーリー展開を見せ、満足度はかなりの高さです。
もう一つ特筆すべきはサービス描写。
舞台が女子寮のせいかどうかは謎ですが、やけに入浴シーンが多いのです。
当時のチビッコ男子は興奮しまくっていたのではないでしょうか?
惜しむらくは、ヒロイン以外の女の子がビミョ〜で色気もクソもないのですが、あまり野暮なことは言いますまい。
巻末の「著者のことば」ではアムブロウズ・ビアスについての言及の後、「次回の作品もまた、人間の恐怖心により以上に迫ってみたい」とのコメントがあります。
次回作が描かれなかったことが返す返すも残念です。
2023年6月21・22日 ページ作成・執筆