浜慎二「百年少女」(1982年8月15日第1刷・1985年7月15日第9刷発行)

「村山先生のクラスに転入してきた大町由加里は無口で大人しい女の子。
 彼女は、父親を交通事故で亡くし、母親とともに市立の母子寮へ移ってきたのであった。
 新しい学校になじめず、母親も仕事で忙しく、孤独な日々を送る由加里。
 彼女にとって残念だったのは、寮で犬が飼えないということだった。
 ある日、由加里が学校から帰る途中、公園で犬を連れている少女が由加里に声をかけてくる。
 少女の家に行くことになるが、そこは廃屋同然の屋敷であった。
 屋敷の庭には様々な犬が綱で繋がれていて、由加里は犬達と遊んで、大はしゃぎ。
 暗くなったので、その日は帰り、翌日の放課後、由加里はその屋敷を訪ねる。
 すると、犬が一匹いなくなっていたが、動物のことだからそういうこともあるだろうと由加里は気にも留めない。
 雨が降り出してきたので、由加里と少女は屋敷の中に入って遊ぶのだが、ある部屋だけは入ってはいけないと屋敷の婆やにきつく止められる。
 その部屋には、老女の奇怪な像があり、像のそばには犬の死体が転がっていた。
 古ぼけた屋敷に住む少女の秘密とは…?」

 浜慎二先生が貸本時代に描いた「灰色の少女」(つばめ出版「怪談・87」掲載)のリメイクでありますが、かなりアレンジを施して、ほぼ別作品と言っていいと思います。
 ストーリーがちょっとぎこちないかもしれませんが、雰囲気ある良作です。
 ちなみに、吸血鬼の少女は今回も非常に可愛いです。(個人的には「灰色の少女」の方が絵は好みです。)
 怪奇マンガとしても優れてますが、浜慎二先生の「美少女」キャラを堪能するのにも最適な一冊でありましょう。

平成27年2月26日 ページ作成・執筆

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