森由岐子「怪談お初人形」(1982年6月15日第1刷発行)
「自然に恵まれた島の片隅にある真砂家。
真砂家は何故か、男主に早く死なれ、女ばかりの所帯になっていた。
長女、汝美(なみ)も、婚礼の晩に、花婿が謎の首吊り自殺を遂げ、彼女はすっかり人が変わってしまう。
閉塞的な空気に耐えかね、次女のしほりは、ペンフレンドの相川夏樹を夏休みに島に招待する。
しほりは夏樹を屋敷に案内するが、屋敷には、お初という日本人形の部屋があった。
お初人形は真砂家に代々伝わっているもので、しほりはとても大切に扱っていた。
汝美は婚約者の自殺は人形のせいと考えていたが、ある夜を境に、人形を可愛がるようになる。
また、彼女は夏樹に想いを寄せ、ことあるごとに迫るようになる。
だが、彼はそんな気にはなれず、汝美の恋が破れた時、数百年前の呪われた因縁が再び蘇えるのであった…」
人形を扱った怪奇マンガは多々ありますが、西洋人形よりも日本人形の方が気持ち悪いと個人的には思います。
特に、あの黒く、どんよりと濁った眼がダメなんだ〜。
まあ、個人的な感想は横において、「怪談お初人形」、表紙からもわかるように、見るからに気持ちの悪い日本人形が暴れる作品です。
普段はぱっちりとしたお眼めの人形なのですが、凶行モードになると、若作り婆ちっくな老け顔(こんな顔、よくありますよね)になって、実に気色悪いです。
しかも、この人形、歯まで生えていて、人に噛みついたりもします。
こんな人形、代々伝えてりゃ、呪われるのも当然ですわな。
あと、ラストの後書きで、森由岐子先生のレアな御写真を見ることができます。(注1)
・注1
レモン・コミックスの作品には大抵、後書きがあります。
ほとんど情報のない漫画家さんについて(トレビア的なものとは言え)知ることができ、非常に貴重です。
2018年12月27日 ページ作成・執筆