岬マヤ「恐怖!ゾンビのいけにえ」(1987年4月15日第1刷発行)
「咲山中学のワンダーフォーゲル部の神島健二、村川一郎、山下和代、野村まゆみ、小野サチコの五人。
彼らは最初の山歩きで道に迷い、加えて、雷雨に襲われてしまう。
更に、サチコが毒ヒルにやられて、万事休す。
その時、山中に一軒の家を見つけて、避難する。
その家には老婆とその娘が住んでおり、サチコはその娘に介抱される。
サチコは回復するが、体格も性格が一変してしまう。
おかしなことばかりで一行は気味悪く思うが、他にしようもなく、その家で一夜を過ごす。
夜中、サチコの行方がくらまし、健二はまゆみに乞われ、彼女を探しに出る。
でも、それは単なる口実で、健二はまゆみから告白され、二人は接吻を交わす。
ことが済んで、部屋に戻ろうとした時、二人はトイレの窓から信じられない光景を目撃する。
外で、サチコが死人を生き返らせて、健二達を襲おうとしているのであった。
健二とまゆみは地下室に身を隠すが、そこには山歩きの最中に消息を絶った健二の父親の写真と日記があった。
日記には日本のゾンビについて書かれており、読んだ健二は顔色を変える。
彼らが地下室から出ようとした時、健二の父親が姿を現わす。
健二の父親は、山歩きの際、この家に迷い込んで、ゾンビにされ、今はこの家の総代となったと話す。
そして、この呪われた身を亡ぼすために、「日本ゾンビの長老」を倒すよう、健二に頼むのだが…。
健二達は日本ゾンビを倒すことができるのであろうか…?」
今はゾンビを題材にしたマンガは多くありますが、ホラー映画・ブームだった1980年代はありそうで、実はあまり見かけません。
岬マヤ先生の「恐怖!ゾンビのいけにえ」は、その数少ない「昭和のゾンビ・マンガ」の一つです。
ただし、ロメロ系ゾンビとは違い、この作品の「日本ゾンビ」は「三年経つと、身体が腐ってしまうため、生きてる人間を食い殺した後、その首(脳)と生き胆(内臓)を新しく入れ替えて、リフレッシュ」という設定になっております。(まあ、この設定は作品に大して活かされていない気がしますが…。)
また、生きてる時と同じく、思考力もあり、人間のふりをして村を形成しているという、かなりの変わり種です。
当時としては斬新なゾンビ像かも…と思ったりもしますが、あまりに人間臭く、個人的には「フヌケ〜」な印象の方が強かったりします。
まあ、中学生に滅ぼされるゾンビですから、やはり、大したことはないですわな。
ちなみに、キクタヒロシ氏の「昭和の怖い漫画」(彩図社/2017年11月22日発行)に、「エロ」なムードに焦点を当てて、紹介されております。
2018年3月8日 ページ作成・執筆