古城武司「死神少女」(1981年7月15日第1刷・1985年7月15日第8刷発行)
「北欧のニーゲンドルフ地方にある古城。
今は全寮制の女学校として使われていたが、古城には恐ろしい伝説があった。
そこでは、百年ごとに魔女が誕生し、そのために、恐るべき災厄がもたらせれると伝えられていた。
その百年目に当たる年のある夜、女学校で学園祭が催される。
日本人であるため、クラスで浮いているユウコは、クラスメート達の意地悪により、「死神の砦」に迷い込む。
砦は何百年も使われておらず、崩壊寸前の砦で、立ち入り禁止とされていた。
そこでユウコは繭に包まれた死体の数々を発見する。
すると、朽ちかけた死体から、無数の赤い蛾が飛び出し、蛾の鱗粉に包まれたユウコは失神する。
ユウコは呆然自失の態で発見されるが、以降、口の周りに吹き出物ができ始める。
それだけにとどまらず、高熱と共に、全身にはアザが浮き、むくみまくるという原因不明の奇病となる。
学校側はスキャンダルを恐れ、ユウコを北側の塔の最上階に隔離、その間にも、ユウコの病状は悪化の一途をたどる。
一方、学校では生徒やシスターの謎の失踪が相次ぐ。
魔女の復活を危惧する理事長に、女校長はエクソシストを呼んで、魔女を特定しようと提案する。
魔女は一体誰なのであろうか…?
そして、小さな村に血塗られた惨劇の幕が切って落とされる…」
個人的に、マスターピース!!
小学校の頃、友人宅でこのマンガを読んで、大衝撃を受けましたが、今読み返しても、当時の感情が生々しく蘇えります。
とにもかくにも、登場人物を「なさけ・むよう」に片端から惨殺していくのは、「痛快」の一言。
クライマックスに向かって、ストーリーは加速度的に「カタストロフ」に向かって突き進み、ラストは「登場人物皆殺し」な大量虐殺になだれ込みます。
また、残酷描写も半端なく、砦で少女三人が処刑用具で惨死していくシーンは「個人的・マンガでのトラウマ・シーン」で五指に入ります。(人によっては、繭に包まれた死体のシーンを挙げる人がいるかもしれません。)
と、トラウマ描写ばかりに目が行きますが、それもベテランである古城武司先生の腕があってのことだと思います。
構成、人物設定、背景等、しっかりさせた上で、残酷描写を展開してますので、やはり「説得力」が違います。(ストーリーはちと説明不足かも。)
とは言え、どこか懐かしい、悪く形容すると、泥臭い絵でありまして、若い人には「古臭いマンガ」と思われるだけかもしれません。
でも、昭和生まれのオヤジとしては「昭和の怪奇マンガってやっぱいいなあ〜」と時代錯誤な感慨に耽ってしまうのです。
個人的には、裏版「毒虫小僧」(正確には「毒虫小娘」)と勝手に認定しております。
2017年6月3日 ページ作成・執筆