ムッシュー・田中「狼女ロビズオーメン」(1980年5月10日第1刷発行)
ムッシュー・田中「恐怖!犬神の森」(1981年1月25日第1刷・1985年1月25日第10刷発行)
「熊本の九重火山群の奥にある犬喰村。
竹田霧江と洋介の兄妹は、いとこの影山燐子の家を訪れる。
燐子の父、影山剛造は村の村長であり、動物学に詳しい兄妹に、村に出没する「妖怪犬」の調査を依頼したのである。
三か月前から、正体不明の「妖怪犬」が現れ、幾人もの村人が犠牲となっていた。
それと同じくして、野犬の数も急増し、村に水を引く水道工事も中止されたままであった。
村人達は「犬神様の使い」と震え慄くばかりで、剛造は何とか事態を打開したいと考える。
洋介が、犠牲者の死体を調べたところ、狼よりも鋭い牙を持った何物かということぐらいしかわからない。
その夜、霧江が寝ていると、彼女の名を呼ぶ声が聞こえ、障子を突き破って、妖怪犬が襲いかかってくる。
洋介達が駆けつけたために難を逃れたものの、妖怪犬は明らかに人語を話していた。
翌朝、竹が一斉に花を咲かせたという知らせに、四十年前の惨劇が繰り返されると、村中大騒ぎ。
燐子の話によると、彼女がブラジルから帰国してから、村の様子がどんどん変わっていったらしい。
村人達は覇気がなくなり、野犬が横行、そして、「妖怪犬」が出没し始めたのであった。
その夜、霧江は、燐子が寝間着のまま、外へふらふらと歩き出るのに気づき、彼女の後をつける。
途中で姿を見失い、戸惑っていると、背後から「妖怪犬」が現れる。
その姿は子牛ほどの大きさがある、毛むくじゃらの怪獣で、顔はどうも人間の面影があった。
この度も霧江はどうにか「妖怪犬」から逃れることができたが、村ではまた犠牲者が出る。
「妖怪犬」の正体は…?
犬喰村で四十年前の惨劇がまた繰り返されるのであろうか…?」
タイトルの「狼女」で誰がモンスターなのかバレまくりです。
それではいけないと考えたのか、一年後、「恐怖!犬神の森」のタイトルでカバーを替えて、出版されております。
とにかくも、ムチムチの美女の服がビリビリ裂けて、狼女に変身するシーンは(一応)見所かも。
個人的には、それよりか、村長のヘンなヒゲの方が気になって仕方ありませんでした…。
あと、ラスト、相変わらず「クサ過ぎて」笑っちゃいました…すんません。
2017年6月16日 ページ作成・執筆
2017年9月17日 加筆訂正・画像追加