柏ぽち・他「お憑きあいしませんか」(2011年5月3日初版第1刷発行)
収録作品
・柏ぽち「お憑きあいしませんか」(「ちゃおデラックスホラー」2010年7月号増刊)
「米澤ちる(16歳)は、憧れの潮見と付き合うことになるも、初デートを前にあっさり浮気され、失意のどん底にあった。
そんな彼女に声をかけてきたのが、松坂という男子学生の幽霊。
彼は、ちるに、住所と名前の書かれたリストに地図や荷物を渡し、リストの人達を訪問するようお願いする。
ちるは、最初は呪うためかと思っていたが、実は意外な目的があった…」
・能登山けいこ「左手が呼んでいる」(「ちゃおデラックスホラー」2010年7月号増刊)
「杏樹の一家は一戸建てに引っ越したばかり。
ある晩、杏樹が一人になった時、和室に、左手だけの幽霊が現れる。
左手の幽霊は、畳の下を指さしていた。
幽霊は、彼女だけしか視えず、また、飼い犬もそこに何かを感じているらしい。
杏樹は一年前の男子中学生の行方不明事件と関係があると考えるのだが…」
・久世みずき「フェアリーメディスン」(「ちゃおデラックスホラー」2010年7月号増刊)
「愛原梢は、入院中の祖母に頼まれ、祖母の家に日記帳を取りに行く。
祖母は昔からヘンな研究をしており、家の中は奇妙なものでいっぱい。
ふとしたことから、梢は棚の液体をこぼし、それが右目にかかってしまう。
それは「妖精の目薬」で、妖精を見ることができるようになる薬であった。
祖母の容体が急変したと知らせを受け、梢が病院に行くと、祖母の横に、凶悪そうなゴブリンがいた。
ゴブリンは梢に襲いかかるが、危ないところを、妖精のジェントル・アニーに助けられる。
彼によると、姿を視られたゴブリンは彼女の目を潰そうとしているらしい。
一人で夜を過ごさねばならなくなった梢に、彼は付いていてくれるのだが…」
・七瀬レイ「永遠がひきよせる」(「ちゃおデラックスホラー」2010年7月号増刊)
「宮下明音(高校一年生)は、入学早々、風邪をひいて休んだため、クラスにいまだなじめないでいた。
そんな明音を見かねて、美沙という美人な女子生徒が彼女に話しかけてくる。
美沙は明音をミステリー研究部に誘い、明音は早速、ミス研の部室を訪れる。
ミス研の部室は、二階の奥の準備室であった。
部員は、美沙、コウ、ユリカ、円(まどか/♂)の四人。
美沙、コウ、ユリカは優しく接してくれるものの、円は明音に対して冷たく、全く歓迎していない。
それでも、明音はここに居場所を見出し、円にも好かれようと努力する。
ある時、明音は「開かずの教室」の怪談の噂を聞く。
その怪談に出てくる教室は、どうもミス研の部室らしいのだが…」
・坂元勲「わすれもの」(描き下ろし)
「クラスのお調子者、河西ハヤトが学校を休んで三日。
同じクラスの宇野さくらは彼のことが気になって仕方がない。
ある日、帰宅すると、ハヤトが彼女の家の前に立っている。
とりあえず、家に上がるよう勧めるが、ちょっと目を離した隙に、彼の姿は消えていた。
翌日、学校で、ハヤトが行方不明であることを知らされる。
警察に事情を聞かれた後、訝りながら帰宅すると、彼がまた彼女の家の前に立っていた。
彼にいろいろ尋ねても、彼は頭にモヤがかかったようで、ここ数日のことが思い出せないらしい。
しかも、彼の身体には実体がなかった。
翌日も、彼女の家の前に現れた彼を、さくらは、彼の住むマンションへと連れて行くのだが…」
・溝口涼子「檻」(描き下ろし)
「吉原ゆづき(高校一年生)と桜(♂)は幼なじみの恋人同士。
昼、二人で弁当を食べていた時、桜は、固いものをかじりたくなる衝動に襲われる。
桜はその衝動を抑えることが徐々にできなくなり、歯はネズミのように鋭く伸び始める。
ゆづきの安全のため、桜は彼女と別れようとするが、ゆづきは「二人でがんばればなんとかなる」と彼を励ます。
だが、桜は急速にネズミ化が進行して…」
・かがり淳子「引き出し」(描き下ろし)
「あるところに、ものを片付けないオンナノコがいた。
オカアサンに片付けなさいと叱られ、ベッドの下におもちゃを押し込み、それで隠せないものはタンスの一番下の引き出しに入れる。
その引き出しに入れたものは消えてしまうことを知り、オンナノコは引き出しにどんどん片付けていくのだが…」
2021年5月25日/7月28日 ページ作成・執筆