中西寛
「服従都市@」(2018年10月17日初版第1刷発行)
「服従都市A」(2018年12月17日初版第1刷発行)

単行本@
・「第1話 異変」
 綾羽京(17歳)は神寓前高校3年生。
 彼は頭が良く、スポーツも万能、そして、イケメンであったが、全てに倦んでいた。
 ある日、彼、南上ミント、清里恋香、白雪真綿の四人は渋谷のボーリング場で遊ぶ。
 ボーリングをしてても、面白くなさそうな京に、ミントは罰ゲームを提案する。
 それは次に投げた時、ピンが多く残った方が、ダサダサな「天才ピンチ君」Tシャツを着て、センターシティ街を10往復するというものであった。
 ミントに頼まれ、わざと負けた京はそのTシャルに着替える。
 京とミントが男子トイレから出た時、ボーリング場には引き裂かれた死体が散乱していた…。
・「第2話 閉塞」
 服が人を喰う…。
 異常な状況下、京はミントを見捨てて、白雪真綿と共に逃げる。
 真綿の服も動き出すが、脱げば、服は動かなくなる。
 京と真綿が表に出ると、白昼の渋谷は惨劇の巷であった。
 二人は安全な場所を求めて、ひた走る…。
・「第3話 覚醒」
 警察や機動隊の姿を前にしながらも、その前に透明な繊維状の網があり、たどり着けない。
 途方に暮れる二人に、バケモノの服を着た人々が集まってくる。
 人々は意思に反して服に操られているらしく、その身体には変異が起きつつあった。
 京は真綿と共に逃げようとするも、バケモノに足を噛まれて、地面に叩きつけられる。
 服は彼に一斉に襲いかかって来るが…。
・「第4話 寄生」
 目覚めると、京は助かっていた。
 戸惑う彼にTシャツが話しかけてくる。
 驚いて、シャツを脱ごうとするが、シャツは彼の皮膚に根付いていた。
 シャツは彼に彼らの「計画」について語る…。
・「第5話 籠城」
 京と真綿は複合商業施設「エ・ヌータ」に避難する。
 そこには、生き残りが七人。
 真城聖羅〜渋谷北区地域課所属の警官
 豪田仁(33歳)〜ジムのインストラクター
 蜂谷一発(29歳)〜パチプロらしきヤンキー男
 草壁絹(62歳)と孫の草壁なこ(4歳)
 宇台日吉〜スマホを覗き込んで、ぶつぶつ言っている青年
 名前のわからないマスクの少女
 京は聖羅、仁と共に警備を担当することとなる…。
・「第6話 再会」
 北側のシャッターあたりにバケモノがいるらしく、聖羅、仁、京の三人は退治に向かう。
 シャッターを開けると、服に身体を乗っ取られた少女が入って来る。
 音で彼女の注意をそらした隙に、聖羅はその頭を警棒で叩き割る。
 これで退治は済んだはずだったが…。
・「第7話 絶望」
 京の前に現れたのは、バケモノと化したミントであった。
 彼は京への劣等感をあらわにして、京に襲いかかる。
 京は右腕を食いちぎられ、ミントの服に飲み込まれるが…。
・「描き下ろし特別編」
 惨劇が始まる数時間前。
 清里恋香と白雪真綿はファミレスで会話していた。
 恋香は真綿にある告白をするのだが…。
(サンデーうぇぶり」2018年4月15日配信分〜6月24日配信分掲載)

単行本A
・「第8話 寸断」
 昼過ぎに突如発生した「謎の白い巨大物体(繭)」に渋谷・新宿は包み込まれていた。
 また、東京だけでなく、世界の各地で同様のことが同時多発的に発生していた。
 一方、「繭」の中では、停電しているにもかかわらず、奇妙な放送が流れる。
 それは「我らが素晴らしき衣装(からだ)のために さあ大虐殺(ファッションショー)の始まりだ」というものであった。
 放送を聞きつけたのか、施設に「人喰い繊維」達が集まって来る。
 彼らは施設から脱出するのだが…。
・「第9話 執着」
 突然流れ出した音楽で、「人喰い繊維」達の動きが止まる。
 訝る彼らの前で、「人喰い繊維」達は融合し、巨大化する。
 再び逃げることになった彼らは、京の指示で、新都立第二競技場に向かう。
 入り口にはバリケードが築かれ、中に生き残りの人達がいた…。
・「第10話 素材」
 京が「天才ピンチ君」Tシャツと話している時、真綿が現れる。
 京は話を聞かれたと思うが、彼女は彼に礼を言いに来たのであった。
 にしても、彼女の行動はいろいろととりとめがなく、京はどうしていいかわからない。
 とりあえず、皆のもとに戻り、競技場のグループのリーダーから話を聞く。
 リーダーは広尾大学マーチングバンド部キャプテン、桐山瞬という青年で、残りは生き残った部員達であった…。
・「第11話 芸術」
 グラウンドの照明が急に付く。
 皆がグラウンドに出ると、巨大なテディベアがあった。
 そのテディベアは、競技場に来ていた人々の身体によって構成されており、桐山瞬を喰い殺す。
 建物内に入ろうとするも、今度はテディベアよりも一回り小さいウサギと羊の人体人形が現れ…。
・「第12話 斬撃」
 建物内に入った京は、真綿をロッカーに隠し、一人でウサギの人体人形に立ち向かう。
 突破口はただ一つ、京とTシャツが結託した時、生まれる「想定外」。
 彼はウサギの人体人形を倒すことができるのだろうか…?
・「第13話 正体」
 人体人形は残り二体。
 だが、京の身体は限界に達し、「人形を作り出した感染者」を見つけ出し、倒さなければ、助からない。
 しかも、一撃で仕留めなければならないのだが…。
・「第14話 捕獲」
 怒りに燃える京を前に、「人形を作り出した感染者」は逃げ出す。
 だが、彼は京の「遺伝子情報」を手に入れていた。
 一方、京の妹、綾羽美亜は「繭」の前で途方に暮れる。
 すると、「繭」から触手のようなものが伸び、彼女に巻き付いて…。
・「第15話 対策」
 前代未聞の事態に、首相官邸では総理大臣が打開策を模索していた。
 しかし、「繭」の内部には侵入することも連絡することもできず、状況がさっぱり掴めない。
 そこに、一人の男が「策ならある」と言う。
 彼は「国防高度機密研究局微生物研究室室長」神尾完爾で、知的生命繊維「スコル」について話す。
 彼らの切り札とは…?
・「描き下ろし特別編」
 渋谷。惨劇の当日。
 真城聖羅と後輩の相馬瞬は通報を受け、中央通りへと向かっていた。
 瞬は聖羅に惚れていて、しつこくデートを申し込む。
 二人は現場に到着するが…。
(サンデーうぇぶり」2018年7月8日配信分〜10月14日配信分掲載)

 「人類 vs 衣類」を描いた、世界で(恐らく)唯一の「人喰い繊維″パニックホラー」です。
 あまりにキテレツな設定ゆえ、キワモノっぽいですが、実はまだ全巻読んでないので、判断ができません。
 と言うのも、全四巻中、三巻と最終巻は電子書籍なのです。
 私、基本、紙の本しか読まない、時代遅れなオヤジですので、電子書籍というものがいまだによくわかりません。
 続きを確認する機会がありましたら、また報告いたします。(真城聖羅さんは生き残ってほしいものです。)

2022年5月8・10日 ページ作成・執筆

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