泉道亜紀「人間回収車A」(2014年6月4日初版第1刷発行)

 黒ずくめの男性が運転する、黒ずくめの軽トラック。
 この車は「不要な人間」を条件さえそろえば、二度と戻ってこれない場所へと回収するという。
 今日、この車に回収されるのは…?

・「回収リストE 山本静佳」
「山本静佳(14歳)は口うるさい母親に辟易していた。
 友達といつまでも遊んだり、髪を染めたりしたいのに、あれはダメ、これはダメと干渉しまくり。
 ある日、彼女は母親にブチキレて、家を飛び出し、友達とカラオケに行く。
 そこに母親がやって来て、静佳が母親を突き飛ばすと、母親は頭を打ち、意識不明で入院してしまう。
 これで思う存分、好きなことができると思ったのも束の間、母親がいなくなって初めて彼女は母親の愛に気付く。
 彼女は友達に夜遊びをもうしないと宣言するが、その場に人間回収車が通りがかり…」

・「回収リストF 飯田万里」
「飯田万里は自分が幸せになるためには手段を選ばない少女。
 彼女の父親は酒乱で、母親はそんな亭主に愛想を尽かし、彼女を捨てて出て行っていた。
 彼女は内心では人をバカにしながらも、人と要領よく付き合い利用する。
 そんな彼女は学校一のイケメンの後藤先輩にデートに誘われ有頂天。
 しかし、デートの翌日、後藤先輩の彼女に呼び出され、文句を言われる。
 咄嗟に嘘をついて誤魔化すと、そこに人間回収車が通りがかる。
 万里は後藤先輩の彼女を回収させ、更に、後藤先輩を慰め、彼の心を掴む。
 全てが彼女の思い通りになるかと思いきや…」

・「回収リストG 中田美咲」
「高校一年生の中田美咲は根暗な少女。
 彼女の両親は離婚寸前で、家庭は崩壊していたが、彼女にはネットの世界があった。
 ネットでは自分が誰かなんて関係はなく、「よりみんなの興味を引くものをアップした人こそ神」という世界。
 彼女は掲示板で万引きの現場写真をアップしたりして楽しんでいたが、ある日、人間回収車の噂を知る。
 彼女は人間回収車の存在を証明しようと試みるのだが…」

・「回収リストH 小林亜由」
「小林亜由は徹底して他人とは関わらず、目立たない少女。
 彼女がこうなったのは、幼い頃、母親がDV野郎だった父親を人間回収車に回収させるのを目にしたからで、彼女は回収されることを極度に恐れる。
 ある日、彼女が忘れ物をして教室に戻ると、女子生徒が二人、ある女子生徒のカバンから財布を盗んでいた。
 彼女はこれに関係するのが嫌で、かと言って、このまま黙っていると自分に疑いがかかる恐れがある。
 そこで別の女子生徒に濡れ衣を着せることにするのだが…」

・「回収リストI 内山春香」
「内山春香と小野寺佳代は学校のアイドル的存在で、男子生徒から絶大な人気を誇っていた。
 だが、一年生に清純派美少女の矢田朋子というライバルが現れる。
 帰宅途中、二人が矢田朋子を潰す相談をしていると、人間回収車が通りがかる。
 人間回収車はその場にいる人間でないと回収できないという仕組みなので、二人は矢田朋子に接近。
 しかし、春香は佳代が矢田朋子と仲良くなっていると疑心暗鬼にとり憑かれ…」

・「ゴーストリート」(「ちゃおデラックス」2013年春待ち超大増刊号)
「木闇玲愛(きやみ・れいあ)は幼い頃から霊感があり、幽霊や妖怪などを視ることができた。
 しかし、それにより皆から気味悪がれ、学校では「幽霊女」のあだ名で孤立する。
 ある日、彼女は学校一の美女で人気者の松原美月に男の生霊が憑いているのを視る。
 美月に助けを求められるも、人に助けを求める前に自分で解決する努力をしろと突き放す。
 すると、美月は思いっきり人違いをして、生霊とは関係のない不良につきまとわないよう文句を言ってしまい…」

・「エッセイ劇場〜まさかの心霊体験〜」(描き下ろし)
「作者が小学生の頃の、秋田の母親の実家での恐怖体験の話」

2024年8月5日 ページ作成・執筆

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