いつまちゃん・原作/文野紋・作画「感受点」(2024年7月23日初版第1刷発行)

・「第1話 それは脳が補完する」
「羊(よう)は一人暮らしの女子大生。
 彼女は医者から右目の上半分が緑内障で失明していると告げられる。
 ただ、彼女には失明よりも死角となる黒いところに人の顔のようなものが見えることの方が気になっていた。
 しかも、それはどうやら幽霊らしい。
 目薬の甲斐なく、彼女の右目の盲点は広がっていき…」

・「第2話 なにより愛おしい温かな」
「昴は友人たちと大学の卒業旅行として離島めぐりに行く。
 ある島で晩、彼女たちは天然記念物の黒兎を見ようと山道を車で走る。
 ホテルに戻ってから、昴はペットのウサギのロペのことを思い出す。
 ロペは実家に預けてきたはずだが、どうも記憶がはっきりしない。
 彼女が順番に記憶をたぐっていくと…」

・「第3話 帰ってきたよ」
「田中メイは団地に住む女の子。
 彼女は小鳥を亡くして悲しんでいた。
 ある日、彼女は両親に留守番を頼まれるが、小鳥が帰ってくるかもしれないと考え、ドアを少し開けたままにしておく。
 すると、ボケた老人男性が入り込んできて…」

・「第4話 芳しき故郷」
「和歌山県のある町で記録的な酷暑と大雨のため、異臭騒ぎが起こる。
 人々は皆、異臭で体調を崩すが、異臭で体調を崩した人は回復後、嗅覚異常を起こし、悪臭と良い匂いが逆転する。
 この騒ぎの中、唯一、香坂美世という女子中学生が平気であったが、家族はそんな彼女を放っておかず…」

・「第5話 最後の晩餐」
「香坂美世はゴミ屋敷に住むベストセラー作家となる。
 ある日、オカルト雑誌「ネス」の編集者、加藤幸彦が美世の家を訪れる。
 彼の目的は美世の特集について相談することであった。
 加藤は嗅覚異常があり、また、荒屋育ちだったこともあり、ゴミ屋敷がさほど気にならない。
 美世は彼を気に入り、肌着を一枚置いて行くことと引き換えに、取材を引き受ける。
 翌日、彼は彼女にインタビューをして、彼女の過去を聞くのだが…」

・「第6話 望まない才能@」
「飯島乙実は幼い頃から奇妙な耳鳴りが聞こえていた。
 それは太鼓のような音で、病院で診てもらっても耳には何の異常もない。
 だが、オカルト雑誌の編集長をしている兄は耳鳴りが人の死を予告していることに気付く。
 彼女は否定しようとするが、朝の駅のホームで耳鳴りに襲われ…」

・「第7話 望まない才能A」
「乙実は自分の能力をはっきりと知るも、その能力に怯える。
 一人でいるのが不安で、彼女は兄のいる飲み屋に出かける。
 しかし、兄に急用ができ、加藤という部下の男性に送ってもらうこととなる。
 加藤からは微かにあの音がしており、彼女は彼を救おうと考えるのだが…」

・「第8話 運命のおこぼれ」
「(第1話の続き)
 一年後、羊は視力を失った代わりに、第六感が発達したのか、霊能者として活躍していた。
 幽霊の中にも良い幽霊と悪い幽霊がおり、あるとても親切な幽霊が彼女をサポートし、スムーズに社会復帰を果たす。
 ある日、彼女のもとにオカルト雑誌の編集長をしている飯島正史からメールが届く。
 内容は人捜しの依頼なのだが…」

・「第9話 不自由な選択肢」
「拉致された乙実。
 そして、彼女のそばにいたのはあまりのヤバさ故に意気投合したあの二人であった…」

・「第10話 忌神の棲家」
「羊は乙実の場所を霊視する。
 飯島は羊に懇願して、その町の駅まで着いてきてもらう。
 乙実は霊視した家にいるものの、羊は最後に「呪いは感染します」と飯島に警告する。
 その意味するところとは…?」

・「第11話 悪い夢を見た」
「(第2話の続き)
 ロペの死から五年、昴はずっと引きこもり状態にあった。
 ある日、彼女は就労支援のサークルに参加しようとする。
 その会場前で彼女は大学の時に好きだった速水と再会する。
 講演の後、彼女は彼と喫茶店で話をするが、そこで明らかになったこととは…?」

・「第12話 ギフト」
「(第3話の続き)
 メイは美術系大学の最難関、G大を受験し、一次は玉砕する。
 意気消沈しながらも、友人と高校卒業記念の打ち上げに行こうとした時、G大の試験会場にタイム・リープする。
 何故か、彼女が合格するまで、ひたすらタイム・ループをしなけらばならないらしい。
 しかし、試験の課題は「11年前のあなたを描きなさい」で、11年前には彼女の心に深い傷を残す出来事があった。
 ループを脱け出すべく、彼女は努力を重ね、一次試験を突破し、二次試験を受けることとなるが…」
(「サイコミ」2023年9月11日〜2024年8月5日配信分掲載作品)

 「来世ではちゃんとします」のヒットで知られる「いつまちゃん」が原作、「呪いと性春」の文野紋先生がタッグを組んだ作品です。  様々な登場人物の奇怪なエピソードが密接に絡み合ってストーリーが進行するタイプの作品で、一つ一つのエピソードは面白いのですが、全体として見ると、いまいちまとまりに欠けるように私は感じました。
 あと、「第2話」「第4話」「第5話」がよく理解できませんでした。(まあ、私の読解力不足のせいかもしれませんが…。)
 それでも、「第6話」〜「第10話」の流れはなかなかのもので、作品のテーマ「それでも人生は続く」を最もよく反映しているのではないでしょうか?
 何だかんだ言いましたが、まあまあ面白いので、気になった方は読まれて損はないと思います。

2026年2月16日/3月21日 ページ作成・執筆

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