みづほ梨乃「ショコラの魔法〜salty leaf〜」(2020年5月5日初版第1刷発行)

 森の中にあるチョコレート屋、ショコラ・ノワール。
 お客を出迎えてくれるのは美しいショコラティエの哀川ショコラと猫のココア。
 彼女の作るチョコレートはどんな願いでも叶えてくれる。
 ただし、その代償として大切なものを一つ、失うこととなるのだが…。

・「ショコラ・テリーヌ 漆黒の群衆」(「ちゃおデラックス」2017年11月号)
「玉井千昭は写真投稿アプリに励むものの、ちっとも「いいね」がつかない。
 ある日、彼女のもとに同じ中学校だった吉崎からメールが来る。
 吉崎も同じ写真投稿アプリをやっていたが、フォロワーや「いいな」の数が桁違い。
 吉崎に誘われ、千昭が海に来ると、吉崎はオシャレな女の子たちを引き連れやって来る。
 吉崎は千昭に可愛い水着を着させて一緒に写真を撮ると、どれもいい感じで仕上がる。
 以来、千昭は吉崎と共に写真をアップし、彼女たちのアカウントは人気を呼ぶ。
 だが、ある晩、千昭が吉崎に連れられた撮影場所には複数の男たちが屯していた。
 吉崎は千昭を男たちに襲わせ、その動画を撮影しようとするが…」

・「ダブルチョコチップクッキー 小さな箱庭」(「ちゃおデラックス」2018年11月号)
「『せーら』と『のあ』は友達同士。
 ただ、せーらはお金持ちの娘で、のあは一般庶民の娘であった。
 夏休み、二人は、親から放置されていることへの腹いせに、家出を考える。
 そこでチョコラ・ノワールに出かけると、哀川ショコラはダブルチョコチップクッキーを差し出す。
 これは「身体の大きさを自由に変える」ことができ、二人はこれで体を縮め、せーらのドールハウスに住む。
 とは言え、おもちゃの家は不便極まりなく、思いどおりにはならない。
 そんな時、二人の前にブランシェが現れ、二人にチョコを食べさせる。
 このチョコによって、二人は人の背中を二回叩くと、家具に変えることができるようになるのだが…」

・「ハニー・ミルクショコラ 無念の継承」(「ちゃおデラックス」2019年11月号)
「昔、シャルロッテという魔女がいた。
 彼女は自分を見捨てた悪魔を見返すために、様々な魔法アイテムを開発し、名声を得る。
 ある時、彼女は魔界で人間の子供を見る。
 彼は両親に捨てられ、逃げていくうちに魔界に迷い込んだのであった。
 彼に頼み込まれ、シャルロッテは彼にグーという名をつけ、家に置くことにする。
 十年後、グーは立派な青年へと成長し、彼女の忠実なパートナーになっていた。
 ある日、シャルロッテのもとに魔界の王宮から招待状が届くのだが…」

・「ダークショコラビスケット 深紅の自画像」(「ちゃおデラックス」2018年9月号ホラー増刊)
「仁科愛利(高校二年生)は美術部のエース。
 彼女には水無月という後輩がおり、非常に親しかったが、首にパレットナイフが刺さるという事故のために亡くなっていた。
 愛利は水無月の描きかけの絵を完成させ、それが美術展で最優秀賞を受賞する。
 だが、美術部では三人の部員が行方不明になっていた。
 三人とも、水無月の悪口を言っていた者で、美術部員たちは水無月の呪いと言って怯える。
 愛利はそんな噂は気にせず、美術室に遅くまで残って絵を描くが、帰ろうとすると、美術室のドアが開かない。
 先生にも連絡がつかず、むりやりドアを開けても、その先はまた美術室であった。
 しかも、そこには水無月の自画像がある。
 愛利がそれを蹴り壊すと、絵の下から…」

・「ツインハートチョコレート 真実の想い」(「ちゃおデラックス」2019年1月号ホラー増刊)
「ゆかりは姫乃の五歳年上のいとこで、二人は実の姉妹のように仲良しであった。
 だが、姫乃は、ゆかりが結婚して、結婚相手の実家に引っ越すと知る。
 しかも、ゆかりから直々に結婚式の手伝いを頼まれてしまう。
 姫乃はゆかりのために引き受けるも、内心ではゆかりが自分から離れていくのが寂しくてたまらない。
 それでも、ゆかりの幸せを願い、自分を奮い立たせ、結婚式当日を迎えるが…」

 バラエティに富んだ良作揃いの単行本です。
 「ダークショコラビスケット 深紅の自画像」は凝った内容で、バッド・エンドもなかなか。
 「ダブルチョコチップクッキー 小さな箱庭」もダーク系の作品ですが、家具に変えられた人々がどうなったのか説明がないのが引っかかります。

2026年2月26・27日 ページ作成・執筆

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