環方このみ・他「本当は恐ろしい童話・伝説」(2016年6月6日初版第1刷・2019年1月20日第6刷発行)
収録作品
・環方このみ「ヘンゼルとグレーテル」(「ちゃおデラックスホラー」2016年3月号増刊)
「悪い魔女を倒し、ヘンゼルとグレーテルは村で穏やかな日々を送っていた。
だが、死んだはずの魔女がグレーテルの前に再び現れる。
魔女は明日の夜、月の出る前に路地の先にある家に一人で来るようグレーテルに命令する。
グレーテルは兄のヘンゼルを守る決意を固め、魔女の家を訪れる。
彼女は家には入らず、戸口で魔女と話し合おうとするが…」
・環方このみ「3匹の子豚」(かきおろし)
「狼をやっつけた後、三匹の子豚はレンガの家で一緒に暮らす。
その実体は、二匹の兄豚が三番目の弟豚をこき使っていた。
弟がいつ家を作るのか尋ねても、兄たちはそのうちと答えるだけで、終いには逆ギレする始末。
結局、弟は二人分のレンガの家を自分一人で作り上げる。
二匹の兄は新しい家へと移るが、その夜…」
・小室栄子「ぎょろぎょろ伝説」(「ちゃおデラックスホラー」2015年3月号増刊)
「小学生の井倉真地と掛川あいりは自分たちで都市伝説を作り、流行させようと考えていた。
それは「ぎょろぎょろ」という人間の目玉を抉って食べる妖怪であったが、ツイッターでいくら呟いても、全く反響がない。
ある日、二人はゴミ捨て場に目玉のないカスタムドールが大量に捨てられているのを目にする。
これを利用して、真地は友人たちに「ぎょろぎょろ」の噂を広める。
更に、真地が塾帰りの女の子に「ぎょろぎょろ」のいたずらをしたことから、子供たちの間でパニックが起こる。
ぎょろぎょろは子供たちにとって恐怖の対象となり、町にはテレビ局が来て、愉快犯も出るようになる。
あいりはやり過ぎだと感じ、ぎょろぎょろが自分たちの創作だと明かそうとするのだが…」
・牧原若菜「人魚姫」(「ちゃおデラックスホラー」2016年3月号増刊)
「人魚の王様の一番の末娘、エマ。
15歳の誕生日、彼女は海の上の世界を見に行き、難破船からフィリップ王子を助ける。
エマは彼に恋をし、美しい声と引き換えに魔女から人間の体を手に入れる。
彼女はフィリップ王子と再会し、彼と城で共に暮らすが、彼にとってエマは妹のような存在でしかなく、隣国の王女、アンヌと婚約を発表。
恋に破れたエマに姉たちは魔女のナイフでフィリップ王子の心臓を貫き、その血を足に塗れば人魚に戻れると教えるのだが…」
・小倉あすか「いつわりのシンデレラ」(「ちゃおデラックスホラー」2016年3月号増刊)
「堂島亜奈は読者モデルをやっている綺麗な少女。
彼女は自分に釣り合うのは学校一のイケメン、小林央介しかいないと考えるが、彼のそばには進堂葉純という少女がいた。
二人の仲の良さにむしゃくしゃしている時、亜奈は一人の少女と出会う。
少女は「童話の魔女」で、彼女から童話を買えば、その童話通りの人生を送れるという。
亜奈は契約書にサインして、少女から「シンデレラ」を買う。
以来、彼女は央介と急接近するのだが…」
・今井康江「闇からの子守唄」(「ちゃおデラックスホラー」2016年3月号増刊)
「中川桃奈は小学六年生の女の子。
父親は単身赴任中であったが、母親との仲が非常によく、楽しい日々を送っていた。
だが、母親が妹を妊娠し、一家は母親の実家に引っ越すこととなる。
母親の実家は田舎にあり、家は広いが、周囲には遊ぶ場所などなく、学校でも桃奈は浮いてしまう。
そんなある日、母親は家を増築するために裏庭にあった祠を破壊する。
以来、桃奈は母親から陰湿な嫌がらせを受けるようになる。
学校の友人たちと一緒に桃奈が家に戻ると、そこには…?」
・まえだくん「本当は怖いラプンツェル」(「ちゃおデラックスホラー」2016年3月号増刊)
「魔女の塔に閉じ込められたラプンツェル。
その噂を聞き、一人の王子が彼女の長い髪の毛を伝って塔に登る。
塔の最上階に到達し、彼はラプンツェルと会うのだが…」
・坂元勲「ゆらゆら様」(「ちゃおデラックスホラー」2013年3月号増刊)
「ある町の外れに「三角山」という山があり、大人たちから入ることを禁じられていた。
ある日、四人の小学生(男子一人、女子三人)が三角山に探検しに行く。
山道を進むも、普通の山で拍子抜けした時、彼らは洞穴を見つける。
ヒロトという男子が軽い気持ちで入るが、急に彼の悲鳴が聞こえ、後は静寂のみ。
女子たちはヒロトがからかっていると思い、本当に帰るよと怒鳴ると、穴の奥から何ものかの声で「いいよ」と答えがある。
女子たちは怖くなって山を降り、以来、ヒロトは行方不明。
翌日、彼女たちは再び三角山に登り、洞窟の前にやって来る。
ルリはヒロトを助けるため、穴に入っていくのだが…。
この穴に潜むものとは…?」
良作の多い単行本です。
個人的ベストは環方このみ先生「三匹の子豚」で、穏やかな表情で彼方を見つめる弟豚には共感しかありません。
また、坂元勲先生はやはり、いい仕事をしておりまして、「ゆらゆら様」はかなりのトラウマ度です。
ちなみに、まえだくんという漫画家はもろに漫画太郎が入っているのですが、何者なのでしょうか?
2026年3月25日 ページ作成・執筆