水ムーちゃんねる「隣の晩怖談@」(2023年10月31日第1刷発行)
収録作品
・「第1談 黒い右手」
「作者の水村友哉先生が小学校三年生(9歳)の時に体験した話。
当時、母子家庭の彼は学童保育に預けられていた。
彼には芸人の真似をして他人を叩くという悪い癖があったが、ある日、星野という女性教師に遊びの最中、急に呼び出される。
星野先生は霊感が強く、皆から人気があり、特に怖い話が大好きだった彼には憧れの存在であった。
星野先生は彼の右腕に塩と水道水をかけ、塩揉みする。
彼女は彼の右腕に「黒いの」が入ったと説明し、右手では悪いことをせず、良いことをするよう注意する。
先生の忠告を素直に聞き、彼は早速、良いことを実行し…」
・「第2談 エレベーターの女」
「作者の知り合いの看護師、宮川千春さん(仮名)が体験した話。
2010年、彼女は友人と共に埼玉県K市にあるナイトシアターに行く。
映画を見終わって、下りのエレベーターに乗り込むと、真下の階でエレベーターが止まる。
この時間では他の施設は閉まっているはずで訝っていると、女性が乗り込んでくるのだが、女性の首は…」
・「第3談 キャンプ場の女の子」
「作者の編集担当H氏の親戚の兄、新川圭太さん(仮名)が体験した話。
数十年前、新川圭太(12歳)は親戚と共にキャンプに出かける。
親戚の子供たちと共に自然を満喫するが、夜、彼の枕元に見知らぬ少女が現れ、彼に水切りを教えてくれるよう頼む。
次の夜も少女は現れるが、彼女には両腕がなかった。
三日目の夜は彼女には両足がなく、胴体だけ。
彼はおじに怖い夢を見ると訴え、四日目の夜、一緒に寝るのだが…」
・「第4談 団地に潜むもの」
「作者の友人、宇野浩志さん(仮名)が体験した話。
1991年の冬、東京立川市。
当時、中学三年生だった宇野浩志は友人たちと新聞配達のバイトをする。
ある朝、担当者が休んだため、友人の滝沢はK団地方面に行っており、彼らもそちらに向かう。
K団地の前で彼らは滝沢と合流し、誰が上まで配達して早く戻ってこられるか、皆で競争する。
ところが、団地内に入ると…」
・「第5談 納骨堂の影」
「イクスシス♪さんからのXでの投稿談。
2019年5月、宮城県都城市。
白石大樹(31歳・仮名)は母親と共にお墓参りに行く。
納骨堂に入り、彼が水を入れるコップを洗っていると、足音が聞こえる。
訝って母親の方を見ると、彼女は線香の準備をしており、動いた様子はない。
気のせいかと思うが、足音は聞こえ、更に、ここに坊主頭の男がいるというイメージが頭に浮かぶ。
片付けを終え、彼は急いでここから立ち去ろうとするが…」
・「第6談 作者の過去イチ晩怖談」
「作者の水村友哉さんが27歳の時に体験したお話。
埼玉県所沢市。
彼はブラック企業を辞めた後、漫画家を目指し、ある漫画家のアシスタントをするものの、パワハラ&過重労働で心身共に限界に来ていた。
彼は夜、悪夢だけでなく、金縛りにも悩まされるようになり…」
・「第7談 出会えてよかった」
「作者の知り合い、月島果奈さん(仮名)が小学校低学年の時に体験した話。
1993年、神奈川県横浜市。
小学校二年の果奈には「めぐちゃん」(18歳)という年上の従姉がおり、二人は大の仲良しであった。
8月に二人は母親と共に横浜で遊び、最後、戸塚区のカラオケ屋で歌を歌う。
だが、その一ヶ月後、めぐちゃんは若年性脳卒中により急死する。
果奈と両親は仙台にある千坂宅へ行き、果奈はめぐちゃんの部屋にいるよう言われる。
果奈はめぐちゃんの日記を見つけ、開くと、そこは彼氏と別れた日のページで、彼女の好きな歌の歌詞が書かれてあった。
果奈がその歌を歌うと…」
(「ヒーローズ」2023年4月〜9月配信)
水村友哉という漫画家さんが見聞きした「不思議体験談」を漫画化したものです。
まあ、心霊漫画・オカルト漫画の範疇には入るとは思いますが、エラそ〜な霊能者が御託を並べたり、精神世界に片足を突っ込んだりせず、エンターテイメントを意識して描かれておりますので、読ませます。
作者は「子供の頃から怪談や妖怪が大好き」とのことで、やはり、筋金が入った人の描くものは安心できますね。(第6談ではヤバい体験もされているとのことで説得力が増し増し。)
個人的に深く印象に残ったのは「黒い右手」。
「徳」というものについて深く考えさせられます。(注1)
・注1
YouTubeの僧侶の方のチャンネルで、「徳を積まないと、いざという時、直感が働かない」ということを仰っていて、心に響くものがありました。
空海(?)の教えらしいですが、よくよく考えると、怖い言葉です。
2026年5月20日 ページ作成・執筆