青木たかお「世にも奇怪な物語 Xゾーン@」(2007年8月27日初版第1刷・2009年7月20日第4刷発行)

 Xゾーン。
 そこは、現実と闇の世界をただよう、恐怖の空間。
 そこに迷い込んだ者の運命は…?

・「テケテケの怪」
 巨大なハサミで人体を真っ二つにすると言われる、上半身だけの妖怪、テケテケ。
 その噂話に、転校生の山根はビビりまくり。
 調子に乗った悪ガキの鈴木と西田は山根を理科室で山根を脅かす計画を立てるのだが…。

・「人面犬の怪」
 野良犬にボールをぶつけて、遊ぶ少年達。
 犬じじいと呼ばれる、一人暮らしの老人は彼らを叱責するが、ある日、急死する。
 老人の死に若干の責任を感じながらも、少年達のうちの一人はいつものように犬をいじめようとする。
 すると、どこからか犬じじいの声で怒鳴られる。
 いじめようとした野良犬が振り返ると、野良犬の頭は犬じじいの顔であった…。

・「カガミの怪」
 二十年前、中山と田代は、取り壊される予定の、古い木造校舎に夜中、忍び込む。
 三階の男子便所の鏡には夜中の12時に未来の自分の姿が映ると言われ、それを確認するためである。
 田代が自分の姿を映しても変化はなかったが、中山は20年後の大人の姿が映る。
 中山はいたずらだと逆上し、ふとしたはずみで鏡にひびを入れてしまう。
 すると、鏡の中の田代が悲鳴を上げる。
 二人は逃げ出すが、翌日、解体中の旧校舎で何やら探し物をしている田代の姿があった。
 彼が探していたものとは…?

・「コレクションの怪」
 新しいゲーム機が欲しくて欲しくてたまらない少年。
 ゲーム・ショップで、彼はある老人と出会う。
 老人は自分の手伝いをすれば、彼の望むゲーム機をあげると話し、少年を屋敷に案内する。
 老人の屋敷には、多くの等身大の人形が飾られてあった。
 老人は、少年にある部屋の片付けを命じ、その間、留守にする。
 部屋の片付けにすぐ飽きた少年は、人形の部屋にあるゲーム機を盗み、帰宅するのだが…。

・「虫の怪」
 父親と共に、沢釣りに出かけた少年。
 魚釣りに興味を持てない彼は、虫が気持ち悪くて、踏み殺す。
 帰り道、一本道なのに、どうしても麓に出ず、そのうちに車が故障。
 そこへ、農婦が通りかかり、二人は農婦の家に厄介になるのだが…。

・「2つの扉の怪」
 金子は、保健室で寝て以来、同じ夢を何度も見るようになる。
 夢の中では、黒マントの男に追われ、行き止まりにはいつも赤い扉と青い扉がある。
 彼はいつも赤い扉を選び、中に跳び込むと、目が覚めるのであった。
 彼はその夢を友人の松岡に話すと、次の夢では、彼も一緒に黒マントの男に追われていた。
 金子は松岡に赤い扉に入るよう勧めるが、松岡はどうせ夢だからと青い扉を開けようとする…。
(「別冊コロコロコミック」2006年8月号、12月号〜2007年8月号掲載)

 「霊界教室」で多くのチビッ子にトラウマを植え付けた青木先生が約15年ぶりに怪奇マンガの世界にカムバック!!
 絵柄は若干ライトになっているものの、基本的に、悪ガキが理不尽かつ悲惨な目にあうという、救いようのないストーリーであり、また、オチでどん底に突き落とす話が多く、トラウマ度は「霊界教室」を凌駕するように思います。
 特に、第一巻は名作だらけで、「テケテケの怪」「虫の怪」は激ヤバです。
 コロコロコミックで青木先生がチビっ子を恐怖のどん底に落とすべく、本気(マジ)を見せつけた本作…まさしくトラウマ・ホラーの名品として語り継がれるべきでありましょう。
 子供向けと軽く見る方も多いと思いますが、個人的にはお勧めです。

2018年7月13・31日 ページ作成・執筆

小学館・リストに戻る

メインページに戻る