青木たかお「世にも奇怪な物語 XゾーンA」(2008年9月2日初版第1刷・2010年6月20日第4刷発行)

 Xゾーン。
 そこは、現実と闇の世界をただよう、恐怖の空間。
 そこに迷い込んだ者の運命は…?

・「肝だめしの怪」
「夏休み最後の夜、ケイタは、彼の友人達と一緒に、神社で肝だめしを行う。
 強がるケイタであったが、友人達に逆に驚かされて、すっかりお冠。
 その時、彼らは自分達がしめ縄で囲まれた神域に入り込んだことに気付く。
 ここは入ってはいけない神聖な場所と言われていたが、ケイタは腹いせにしめ縄を引きちぎる。
 その瞬間、灯りが消え、真っ暗闇となる。
 ケイタが明かりのある方に向かうと、小さな社があり、社の前には仮面が置かれていた。
 ケイタが仮面を手にすると、やけに生温かく、ケイタは反射的に仮面を投げつけて、割ってしまう。
 すると、ケイタに背を向け、うずくまって泣いている少年の姿が目に入る。
 ケイタが少年の肩に手をかけ、彼を振り向かせると…」

・「分身の怪」
「悪ガキの平川洋一は家でも学校でもかったるいことだらけ。
 自分の分身が欲しいと彼が願ったところ、以来、宿題やら掃除当番等、面倒臭いことがいつの間にか片付くようになる。
 周囲の評価も上がり、ウキウキ気分の彼であったが、次第に自分の分身がトラブルを起こし始め、そのツケを払わされるようになる…」

・「銅像の怪」
「イタズラの罰として、校長先生に銅像の清掃を命じられた、三人の少年。
 銅像の主は、厳格な教育者であり、恵久洲学園の創立者の大杉彦一郎であった。
 銅像の清掃に飽きた少年達は、野球ごっこをしているうちに、銅像の頭がもげてしまう。
 張本人の少年は図工室に接着剤を取りに向かうが、バッグの中の銅像の首が校則を守るよう叱咤し始めた…」

・「へびの怪」
「ニュースをでっち上げては、友人達をだますのが大好きな少年、内田。
 彼は友人二人とツチノコを探しに山に行く。
 これも彼のペテンであったが、友人の二人は内田の背後を見た途端に、顔色を変え、逃げ出す。
 友人達の行動を真に受けた内田は、ツチノコを探すが、草むらの中にあった穴に転落。
 その穴の中にはたくさんの蛇がおり、蛇が一塊に集まると…」

・「ゲームの怪」
「カズマが手に入れたゲームは、決してプレイしてはいけない禁断のゲームであった。
 そのゲームをプレイすると、ゲームの中のキャラと一体になり、途方もなくスリリング。
 寝る間を惜しんで、ゲームに没頭し、最終ステージへとたどり着くが、彼を待っていたのは…」

・「トモダチの怪」
「弘の家で、グループ研究の発表のための集まりが開かれる。
 その際、押し入れの中から、弘が幼い頃、友達だった粘土人形のツトムくんが出てくる。
 男友達は面白がって、人形をいじくりまわし、また、弘も、照れ恥ずかしさから、ツトムくんを床に叩きつけて、破壊する。
 翌日の放課後、友人と帰ろうとした弘の前に、昨日、グループ研究で一緒だった男友達が現れる。
 顔色が悪いと思ったら、彼の身体は粘土のように伸び、弘達に迫ってきた…」

・「続・ゲームの怪」
「弟が、禁断のゲームにはまっていることを知った少年、岸田。
 彼はゲームを止めさせようとするが、弟は全く聞く耳を持たない。
 弟が最終ステージに達していることを知り、岸田は強硬手段に出る…」

(「別冊コロコロコミック」2007年10月号〜2008年8月号掲載)

 この本では「肝だめしの怪」「トモダチの怪」が後味が非常に悪く、いいと思います。
 また、「へびの怪」では、いにしえから続く「蛇人間」が命脈を保っていたことに感心しました。

2018年7月23・24日/8月1日 ページ作成・執筆

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