星野之宣
「ブルーシティー@」(1976年9月5日第1刷・1979年9月25日第2刷発行)
「ブルーシティーA」(1976年12月5日第1刷・1979年9月25日第2刷発行)

・「恐怖の隕石群」
「宇宙ステーション、ホリゾントを突如襲った隕石群。
 ホリゾントは大破し、大気圏で燃え尽きるが、隕石に付着していた未知のヴィ―ルスが高速気流で世界中にまき散らされ、地上の生物は絶滅の危機に瀕する。
 唯一、無事だったのは、マーシャル諸島南方、200メートルの海底に建設された実験海底都市「ブルーシティー」のみ。
 祖父に会いにブルーシティーを訪れていた船縁令・ミカの兄妹は、ホリゾントの事故で父親を亡くしたことを知り、母親のいる海上基地へ潜水艦で向かう。
 その頃、地上の人類は、ブルーシティーに住む人々に人類の未来を託し、「6・9指令」を発動させていた…」

・「海の雪」
「令・ミカは、アテナを隊長とする人魚部隊によって、ブルーシティーへ連れ戻される。
 ブルーシティーの人々は、「6・9指令」により、地上が死の世界になったと知り、戸惑いながらも、ここで生きる道を探ることを選ぶ…」

・「生きた化石」
「ブルーシティーに接近する、巨大の生き物。
 それは、原始時代の生物、コノドントの群生であった。
 このままではブルーシティーに激突するため、ロゴス司令官はブルーシティーの原子炉等を止め、電気出力を最低限に抑える。
 こうしてコノドントの群生の通過を待つが、予想に反して、コノドントはブルーシティーのそばにとどまってしまう。
 その時、一台の潜水機が水中にとび出していた…」

・「かみさかれた死体」
「令・船縁教授、アテナ達は、イエルマーク艦長のプテラスピス号に乗って、曇りの日に海上を訪れる。
 そこで、彼らは、アメリカ第七艦隊の原子力空母、エンタープライズ号に遭遇する。
 艦上は死体だらけであったが、何故か、喰いちぎられた死体がある。
 訝っていると、死体が蘇えり、彼らに襲いかかってきた…」

・「恐怖の魔手」
「命からがらエンタープライズ号から逃げ帰った一行。
 ドクターシュルツは、エンタープライズ号から持ち帰った死体を解剖する。
 彼は死体から採取した病原体を見て、ある意外な事実に驚く。
 だが、その病原体に侵されたジョニーがドクターを襲い、殺害。
 ジョニーは医務室のコンピューターを破壊した後、妻のジュンを初め、次々と市民を襲い、仲間を増やしていく…」

・「行動開始」
「子供達は、イエルマーク艦長やアテナと共に、プテラスピス号で南極を訪れる。
 その目的は、これからの食料となるオキアミの調査のためであった。
 一方、ブルーシティーでは、ジョニーをリーダーとする一群がテロ活動を開始し、パニック状態となる。
 ジョニー達の真の目的とは…?」

・「動く氷山」
「ジョニー達の破壊工作は失敗に終わり、ロゴス司令官は、真の敵を知る。
 その頃、プテラスピス号では、ミカとトムが氷山の上で遊んでいると、その氷山が動き出す。
 プテラスピス号は氷山を追おうとするが…」

・「新生児1号」
「潜水し、氷山を追うプテラスピス号に、敵からの通信が入る。
 ブルーシティー以外に、生き残った人類の住む世界とは…?」

・「海への行進」
「人質を取られた上に、敵に囲まれ、絶体絶命のプテラスピス号。
 艦内の子供達を守るために、イエルマーク艦長は、逃亡という苦渋の決断をする。
 しかし、慣性誘導装置の故障のため、艦の位置や方向がわからなくなる。
 その時、艦の外に、一人の女性が現れ、ある方向を指し示す…」

 「週刊少年ジャンプ」1976年2号〜21号にて、連載された本格派SF漫画です。
 星野之宣先生の作品は「宗像教授伝奇考」を少し読んだだけですが、こんな、どえりゃあ作品があったなんて驚愕の一言でした。
 タイトルやストーリーから「海洋SF」の印象を受けるものの、開始早々から人が死にまくりの「終末ものSF」ですので、当然、ホラーと関わりは深く、二巻に入ってからは、吸血鬼、※※人間(ネタばれ防止のために伏字)とゲテモノな要素が盛りだくさん。
 また、解剖描写や※※のホルマリン漬けといったハードな描写もあり、「少年ジャンプ」で連載されたことが信じられません。
 ただ、打ち切られたのか、「さあ、これから!!」という時に終わってしまうのが、返す返すも残念です。
 前日譚や後日譚を扱った作品があるようですので、いつか読んでみたいものです。

2021年6月1・3日 ページ作成・執筆

集英社・リストに戻る

メインページに戻る