柿崎普美「金色の闇」(1987年7月30日第1刷発行)

 収録作品

・「金色の闇」(1986年「ザ・マーガレット No.18」掲載)
「妹尾あきらは特殊な髪の毛の持ち主であった。
 もとは黒髪であったのに、人にいじめられるために、黄色く染まっていき、14歳の今はすっかり金髪になっていた。
 この髪がもとで更なるいじめにあうが、ある時、転校生の御渡竜流(みわたり・とおる)に助けられる。
 いじめっ子達には気丈に振る舞うものの、あきらの心は悲しみと憎しみでいっぱい。
 学校の裏にある青龍沼へ出かけ、一人、その水面を見つめていると、彼女を呼ぶ声がする。
 水面にはあきらが映っているが、それは彼女自身の影ではなく、その映像が突如襲いかかってくる。
 水がかかっただけであったが、その時以来、もう一人の自分があきらの中に棲みつくようになる。
 もう一人の自分はあきらに復讐を唆し、そのための力を与えると言う。
 恐るべきパワーを得た、あきらは、いじめっ子達に恐れられるようになるが、そんな彼女に御渡竜流がつきまとい、警告する。
 もう一人のあきらの正体は…? そして、御渡竜流とは何者なのか…?」
 小粒な作品ですが、残酷シーンもしっかり入ってます。
 思いっきり「遊星からの物体X」なところが感じ入ります。

・「恋したらESP」(1984年「週刊マーガレット」49号掲載)
「サッカー部のマネージャー、安芸鈴子は、能力はさほど高くないものの、エスパーであった。
 そのことを知っているのは、同じサッカー部で恋人の大原順平、ただ一人。
 しかし、学校にロケ撮影のため、訪れた人気女優、原田菜々美は、実は大平順平の昔のクラスメートであった。
 原田菜々美と順平は急接近し始めて…」
 超能力少女が主人公の「ラブ・コメ」なんです。
 昭和の風俗がコマの端々に出てきて、どこか懐かしい雰囲気があります。
 とりあえず、柿崎普美先生は「コメ・コメ・クラブ」(アルファベットでしたっけ?)のファンだったようであります。

・「め・ぐ・み スクランブル」(1985年「週刊マーガレット」7号掲載)
「16歳の女子高生、葉月めぐみは超能力者。
 と言っても、男性に迫られると、コントロール不可能な超能力が爆発するという、厄介な代物。
 おかげで、彼氏が欲しいのに、男嫌いのレッテルを貼られ、悩ましい日々を送るのであった。
 ある日、不良達に襲われそうになった、めぐみを、カッコいい男性が助けてくれる。
 その男性には超能力が発動せず、めぐみは狂喜するが、うっかり礼も名前も聞かずじまい。
 ところが、翌日、その彼、折原達矢が転校生としてクラスにやってくる。
 めぐみは仲良くなろうとするが、向こうは知らんぷり。
 しかも、かなり素行が悪く、前の学校を追い出されたという噂もあった。
 それでも構わず、めぐみは達矢とお近づきになろうとするのだが、彼女の超能力を彼に知られてしまう。
 達矢には交際を断られるが、めぐみは決してあきらめない…」
 これまた、超能力少女が主人公の「ラブ・コメ」です。
 ミステリー仕立てで、悪くないと思います。個人的には、楽しめました。

2016年1月19・21日 ページ作成・執筆

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