和田慎二「呪われた孤島」(1975年3月20日第1刷・1979年4月30日第9刷発行)
収録作品
・「呪われた孤島」(1974年「別冊マーガレット」8月・9月号)
「日本海に浮かぶ孤島。漁業が主な産業で、住人は百人にも満たない。
ある夏の日、島に、待望の医者が赴任してくる。
医者は、日下部亜矢という若い女医で、助手として遠藤という青年を連れていた。
今まで無医島だったために、島民の歓迎は盛大で、亜矢も誠実に診療所で仕事に励む。
しかし、徐々に、この日下部亜矢という女医の本性が明らかになっていく。
彼女は島民から金を搾取するようになり、金のない者は平気で見殺しにする、酷薄な女であった。
また、島の嫌われ者の黒岩達夫と結託し、島の乗っ取りを目論む。
だが、ある日、亜矢は、島に固有種の毒蜘蛛に刺され、重体に陥る。
島の網元の娘、小座倉曜子の尽力によって、亜矢はかろうじて命をとりとめる。
この毒蜘蛛の特効薬は、八千代塚周辺に野生している矢千代菊の汁であった。
命を救われて、改心したのかと思いきや、亜矢は毒蜘蛛の生態をひそかに研究。
そして、島民には治療代の代わりに、八千代菊を持って来させる。
八千代菊が全滅した時、亜矢は、島の代表者である小座蔵剛三を蜘蛛を使って、毒殺。
島の実権は、八千代菊のエキスを一手に握る日下部亜矢のものとなる。
剛三の死後、島民達に呼び出された曜子は、父親の遺言を知らされる。
それは、島民達から集めた資金で、医者になって欲しいというものであった。
塚祭りの夜、曜子は島からの脱出を図るが、彼女に亜矢の魔の手が迫る…」
トラウマなラストで有名な作品です。
毒蜘蛛といった怪奇色の強いアイテムが使われておりますが、基本的には復讐のドラマで、怪奇マンガとは言い難いかな?
でも、流石はベテラン、よどみなく読ませます。(ヒロインがメス使いなところも作者の嗜好?)
んにしても、気になるのは、日下部亜矢の額の点々。
平安眉かと思いましたが、眉毛はちゃんとあるし、アレって一体何なの?
・「快盗アマリリス」(1973年「別冊マーガレット」11月号)
「快盗アマリリスこと、椎崎奈々(16歳)。
寄宿学校を退学になった彼女は、生まれ故郷の田舎町に帰って来る。
二年の間に、町は信楽コンツェルンの系列会社によりかなり開けていたが、奈々は町の人々が放つ気怠い雰囲気に違和感を抱く。
更に驚いたことは、スリムだった母親や、以前の同級生、佐藤容子がおデブになっていた。
実際、町の人々は皆、肥満しており、原因はどうやら食べ物にあるらしく、あまりの美味しさに食べ過ぎてしまう。
そんなある日、奈々は佐藤容子から、兄が精神病院に入れられたとこっそり打ち明けられる。
容子の兄は薬物研究所に勤めていたが、信楽食品の息のかかった連中に無理矢理連れ去られたらしい。
その翌日から、佐藤容子は登校して来なくなる。
数日後、奈々は自分もおデブになっていることに気付き、愕然。
そして、信楽食品の提供する食べ物の中に、人々を陶酔させ、無気力にさせる物質が混入されていることを悟る。
信楽コンツェルンの世にも恐ろしい企みとは…」
2019年2月11・12日 ページ作成・執筆