光原伸「アウターゾーンK」(1994年3月9日第1刷発行)

・「第84話 黒いカード」
「満員電車で、高木がミザリィからスリ取った財布に入っていた「黒いカード」。
 このカードはどんな店でもノー・チャックで買い物ができ、キャッシュカードとしての残高は∞(無限大)。
 高木は好き放題にカードから金を引き出し、贅沢三昧をする。
 だが、一か月後、カードの精算に、一人の男が彼のもとを訪れる…」

・「第85話 侵蝕」
「セクハラ常習犯である、高校の校長、竹田。
 次に彼が目を付けたのはミザリィで、言うことを聞かないと、店を潰すと脅しにかかる。
 ミザリィは彼の意に従うふりをして、彼を占う。
 彼女の占いによると、「近いうちに、夢が現実になる」という。
 その夜、彼は、女子高生を恐喝して、成り行きで絞殺、その死体を山に埋めるという夢を見る。
 翌日、夢で見た殺人事件がニュースになっていて…」

・「第86話 七夕の願い」
「七月七日。
 康男は、アンティーク・ショップ美沙里から出されたゴミの中に、笹を見つける。
 彼はミザリィに笹を一本譲ってもらうが、彼女から「願い事はよく考えて書きなさい」と忠告を受ける。
 帰宅後、彼は、母親とペットのモン太郎(猿)が帰ってくるよう、願いを書いた短冊を笹に飾り付ける。
 彼の母親とペットは、半年前に、交通事故死していたのだった。
 彼の七夕の願いは叶えられるが…」

・「第87話 禁書」
「道徳的な漫画以外は法律で禁止されている世界。
 拓磨は、西崎の隠れ書庫で、漫画を読むのが大好きであった。
 西崎は漫画家志望だったイラストレーターで、秘密の地下室に大量の「裏」漫画を保管していた。(注1)
 漫画の世界に果てしない想像力の広がりを見て、拓磨は西崎から漫画の描き方を教わる。
 だが、彼のささいな出来心が、彼らの世界を破滅に導いてしまう…」

・「第88話 パンチング・マシーン」
「カツアゲした金で、ゲーム・センターに入りびたる不良青年。
 ゲーム・センターの店員のミザリィは、彼に時給一万円のアルバイトを持ち掛ける。
 仕事内容は、ただ立っているだけでいいと言う。
 彼はそのバイトに申し込むが、その中身とは…?」

・「第89話 恐竜時代 前編」
「両親と共に、恐竜展を訪れた峰岸宙明(ひろあき)は、クラスメートの牧村美穂と出会う。
 彼らが会場を出た時、プレハブ小屋のようなところで恐竜博覧会をやっているのを目にする。
 試しに入ってみると、彼らがミザリィに案内されたのは、6500万年前の白亜紀であった。
 彼らはそこでサバイバル生活を送ることとなるが…」

・「第90話 恐竜時代 後編」
「宙明達の前に、ミザリィが現れ、全員が心から元の世界に帰りたいと願えば、出口は開くと告げる
 だが、宙明はこの世界に魅力を感じ、また、トリケラトプスの「トッピー」と仲良くなったこともあって、この世界への未練が断ち切れない。
 宙明があきらめる時まで、仕方なく、彼らはもうしばらくサバイバル生活を送ることとなる。
 ある日、水を汲みに行った宙明と美穂はチラノザウルスの群れに襲われて…」
(「週刊少年ジャンプ」1993年25号、28号、34〜36・37合併号、39号〜42号掲載分収録)

・注1
 漫画のタイトルが「スナッキーでいこう」や「太陽に抱かれたい」。
 何故に「幻の名盤解放歌集」なのでしょうか?
 ちなみに、私が一番好きなのは、大城晋「資本論のブルース」。カラオケに入れて欲しい!

2019年3月21日 ページ作成・執筆

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