亜月亮「都市伝説C―人形―」(2009年7月29日第1刷発行)
収録作品
・「都市伝説―人形―」(「マーガレット」2009年No.7)
「マンション建設現場で子供の白骨死体が発見される。
高校生のトモミはその死体が10年くらい前に行方不明になったユキではないかと考える。
ユキは大人しい子供で、トモミの友人のエリカを慕っていた。
当時、彼女たちは人形遊びに夢中で、ユキは人形を持っておらず仲間に入れなかったが、エリカは彼女に人形を貸してあげる。
ある日、ユキは祖母に買ってもらったデイジー人形を持ってきて、晴れて彼女たちの仲間入りをする。
だが、それから間もなくして、ユキは誘拐事件に巻き込まれたか何かで行方不明になる。
捜査の結果、白骨死体はユキと確認されるが、死体の横にあった人形は…」
・「都市伝説―TV―」(「マーガレット」2009年No.8)
「テレビの放送終了後に流れる砂嵐の画面にその日に死ぬ人間のリストが映るという都市伝説。
美依奈はそれを男友達のタカシから聞かされ、その夜、噂を確かめようとする。
すると、本当に画面に名前のリストが現れ、中に「アキヅキ タカシ」の名があった。
翌日、美依奈は彼を守るために、ずっと彼に張り付く。
今日一日、無事で過ごすことができれば、都市伝説の呪い(?)は解けるはずだが…」
・「都市伝説―電話ボックス―」(「マーガレット」2009年No.9)
「トモミは真面目な優等生。
彼女はイケメンで女子に人気の神田先輩に一方的にアタックされる。
だが、彼女が好きなのは美依奈の彼氏のゆーじであった。
ある日の晩、彼女は赤い電話の電話ボックスを目にする。
これには「そこから好きな人に電話で告白すれば両想いになれる」という都市伝説があった。
ただし、受話器を取った後は絶対に振り向いてはいけないという。
トモミは電話ボックスに入り、ゆーじの携帯電話に電話をかけるかどうか悩む。
すると、彼女の背後から「オマエノ後ロヲ見ロ」という声が聞こえ…」
・「都市伝説―三人め―」(「マーガレット」2009年No.11)
「浅田ユミは高校三年生の少女。
ある日、彼女は工事現場で作業員が転落死するところに遭遇する。
その翌日には、マンションで女性の飛び降り自殺を目撃する。(しかも、自殺者と目が合うというオマケ付き。)
それを聞いて、恋人のゲンは彼女に高い所に行かないよう警告する。
三途の川の渡し船は四人乗り(一人は船頭、残りの三人は死者)で、死者が三人そろわないと船が出せないため、先に死んだ二人が最後の一人を呼ぶと言われていた。
ユミは心細いが、ゲンは美術部のコンクール作品の仕上げのため、彼女のそばにはついてくれない。
彼女は死者たちから逃れることはできるのであろうか…?」
・「都市伝説―闇サイト―」(「ザ・マーガレット」2009年8月号)
「自殺志願者応援サイト『サッちゃんの新世界ツアー』。
このツアーに六人の男女が参加し、管理人の「サッちゃん」と共に車で出発する。
(参加者は以下の通り。(ハンドルネーム)
ユリナ(17歳)〜高校生。失恋が理由?
タカ&トシ〜チンピラ。ヤバい奴らに追われているため。
タランティー野〜引きこもり。退屈な人生に飽き飽きしたため。
マリア・ママ〜25歳。バツイチ。子供が三人。ちょっとネジの緩んだ若い女性。「来世」に呼ばれたため。
リストラオヤジ〜52歳の男性。理由はハンドルネーム通り。)
車はトンネルを抜け、山奥へとどんどん入っていく。
タカが「童謡『サッちゃん』幻の四番目の歌詞」の話を始め、次にマリア・ママが「合コンのサヤカ」の話をする。
どちらも臓器売買に関係する都市伝説であった。
急にユリナは気分が悪くなり、車を止めて、薬を飲む。
彼女が自殺を志願した理由とは…?
そして、志願者たちを待ち受ける運命は…?」
どのエピソードも優れていますが、「三人め」「闇サイト」が特に面白く思いました。
「闇サイト」は意外な展開を見せ、亜月亮先生の才気を感じさせます。
2024年11月10日 ページ作成・執筆