亜月亮「都市伝説F―チェーンメール―」(2010年7月28日第1刷発行)
収録作品
・「都市伝説―チェーンメール―」(「ザ・マーガレット」2010年8月号)
「最近、流行りのチェーンメール。
それには、交通事故にあった際、救助もせず携帯電話で写真を撮られた立花アユミ(21歳)の怨念が込められていると言われ、48時間以内に五人の相手に転送しないと死ぬと噂されていた。
そのチェーンメールが青木若菜の友人、アキコに届く。
メールには血まみれの女の後姿の画像が添付されていた。
最初は悪趣味な冗談だと笑っていたが、そのチェーンメールの呪いは本物らしく、アキコにチェーンメールを送った相手は目や耳や口から出血するという原因不明の死に方をする。
アキコは恐慌を来し、友人たちも自分の身を案じて、彼女たちの友情はバラバラになる。
この様子を目の当たりにして若菜はフリーライターの高巳一彰に連絡をする。
彼は「呪いのチェーンメール」を取材しており、これは悪質なウイルスメールではないかと疑っていた。
彼はこのチェーンメールに対抗するためのワクチンを作り出そうとしているのだが…。
一方、若菜は立花アユミの死が現実にあったことを知り…」
・「都市伝説―街―」(「ザ・マーガレット」2010年7月号)
「都心から少し離れた新興住宅地。
新しい町の割りに近所付き合いが盛んで、町中の人はほとんどが顔見知り。
六年前、梨乃の家族と洸介の家族はこの町に引っ越してきて、今では二人は恋人同士の仲であった。
ある日、二人で下校していると、守という青年が公園から出て来て、走り去る。
守は梨乃の隣に住んでおり、子供の頃から二人の兄貴分であった。
二人が公園に入ると、立木の枝に首吊り死体がぶら下がっている。
死体は何故か顔に白い布をかぶせてあり、梨乃はその下に奇妙な形のバッジのようなものを見つける。
これは円と十字手裏剣を重ね合わせたような形で、中央に目のような模様があった。
警察は死体を自殺と判断するも、梨乃はどこか納得いかない。
家に戻ると、梨乃は守と出会い、公園での件を話す。
すると、彼は「梨乃はまだ何も知らないんだな」と呟くと、「仲間」を裏切らないようお互いを監視し合っているので、「この町の人間を誰一人信用するな!!」と警告する。
母親に呼ばれ、梨乃は家に戻るが、父親の時計にバッジのあのマークがついているのに気づく。
彼女はどこかで見覚えがあったが、はっきりしたことは思い出せない。
次の日の夜、守は救急車によって運ばれる。
興奮状態の彼は「教団の秘密」をばらそうとしたために始末されると訴えていた。
医者の胸にもあのマークのバッジがあり、また、近所の人達は笑みを浮かべながら、この騒動を静観しているだけで、梨乃の胸の内では異様な違和感が募っていく。
このマークの秘密とは…?」
・「都市伝説―ストーカー―」(「ザ・マーガレット」2010年5月号)
「高校生のキヨタカはプレイボーイで、恋人をしょっちゅう変えていた。
年上の女子大生の綾乃(20歳)と別れ、今度はヒカルという女子高生と付き合い始める。
だが、以前の彼女の綾乃にストーキングされているらしい。
綾乃は美人で非常に家庭的な女性であったが、彼へののめり込みようが常軌を逸していた。
彼は一方的に別れを告げるが、一月前の雨の日、彼のマンションの前で彼女と出会う。
彼女は手にハサミを持ち、彼が他の女性と結ばれたとしても「赤い糸」を切ることができると言うのだが…」
・「都市伝説―エクステ―」(「マーガレット」2010年No.9号)
「千晶は天然パーマの女の子。
さらさらロングヘアーに憧れるものの、パーマがきつくて、髪の毛もしゃもしゃ。
ある日、彼女は「人毛エクステ」の広告をネットで目にする。
三千円という破格の安さで、注文すると翌日には到着。
早速、彼女はエクステをつけて学校に行くと、女友達は皆、褒めてくれる。
ただし、彼女をいつもからかっている山口という男子は「キモイ」の一言で、その後に、女性を殺して入手される人毛の都市伝説を話すというデリカシーのなさ。
千晶は傷ついて教室をとび出すも、やはり、エクステの魔力か、今までと違う自分が新鮮でたまらない。
一日中、町を歩くが、エクステは自毛と区別がつかないほど、彼女になじんでいる。
彼女は山口にメールをしようと携帯電話を取り出すと…」
・「都市伝説―動画サイト―」(「マーガレット」2010年No.10号)
「眼鏡の女子高生がカメラマンを名乗る青年にモデルの勧誘を受ける。
彼女はマンションの一室にある彼の撮影スタジオを訪れるが、そこにはベッドがあるだけであった。
そこに二人の男も現れ、男達は彼女をベッドに押さえつける。
男たちは素人専門のアダルト動画を違法サイトに流して、金儲けをしていたのであった。
だが、その女子高生も「同業者」で…」
・「都市伝説―人面犬―」(「マーガレット」2010年No.3・4合併号ふろく)
「動物たちを触れ合うことを売りにしたテーマパーク。
それが潰れた後、その裏の公園で人面犬が出るという噂が流れる。
併設されていたペットショップの動物たちは閉園後、保健所に送られたらしく、人面犬はその怨霊と言われていた。
六実は子供の頃、そのテーマパークで犬を買いたかったが、親の反対で飼えなかった過去があり、殺処分されたペットたちを不憫に思う。
彼女はテーマパークの門前にペットフードと線香を供え、ペットたちの霊を弔う。
すると、そのペットフードを貪り喰う『人面犬』が…」
・「あなたがつくる都市伝説」(描きおろし)
「『ストーカー』と『隙間女』が合体した『隙間ストーカー』の正体とは…?」
「エクステ」のエピソードが「妖怪もの」が入っていて好きです。
若干のネタバレですが、弱点は「夜叉」と一緒ですね。
2024年12月12〜14日 ページ作成・執筆