井出智香恵「愛・霊・視」(1996年12月9日第1刷発行)

 日々(旧姓・小野寺)さくら(24歳)は、過去・現在・未来を透視する能力を持って生まれた霊能師。
 霊能師としての彼女の運命とは…?

・「Part.1」
「小野寺さくらは、平凡なサラリーマンの家庭の四女。
 彼女が産まれる前、母親は竜がお腹に入り込む幻を見る。
 そのためか、さくらには幼い頃から「特異な才能」があり、人の死を予言したり、人の体内を透視することができる。
 ただし、それはトラブルしか招かず、彼女は自分の才能を隠すことにする。
 高校生になった時、彼女は白石という教師に恋をする。
 親友の京子は、さくらに霊能師になるよう勧めるが、さくらの夢は白石のお嫁さんであった。
 白石が転勤してからも、彼女は彼と連絡を取り続け、二十歳の時、白石から彼女を嫁に欲しいと母親に申し込まれる。
 喜びでいっぱいのさくらは、待ち合わせの喫茶店に向かうのだが…」

・「Part.2」
「日々良彦とのハネムーンの最中、さくらにシカゴの京子から電話がかかってくる。
 実は、京子の夫が刺殺され、彼女に疑いがかけられているのであった。
 さくらは、京子の背後にいる夫の霊を霊視して、更に、彼に何が起こったのか透視する。
 犯人の正体とは…?」

・「Part.3」
「その翌日、さくらと良彦は豪華フェリーに乗ろうとする。
 だが、さくらにはフェリーの姿が一瞬、消え、よくないことが起きる前兆だと悟る。
 彼女は乗客達にフェリーに乗らないよう呼びかけるが、当然、誰も相手にせず、フェリーはさくらと良彦を置いて、出て行く。
 それでも、乗客達を助けるため、彼女は無人のお堂で「お護摩」を焚き、全身全霊で祈る。
 一方、フェリーでは…」

・「Part.4」
「ある日、さくらは突如、拉致される。
 拉致したのは、初老の男性で、城代という会社社長であった。
 彼は、先日のフェリーに娘夫婦と孫が乗っていたため、さくらの存在を知る。
 彼に自分を霊視するよう言われて、さくらは、彼の背後に、何百という首が憑いているのを視る。
 彼の先祖は罪人の首を切る仕事で、その怨霊の存在から、彼は心霊について調べ続けていた。
 城代はさくらに「世界霊能力者大会」に出てみないかと勧める。
 さくらは、自分の霊力のレベルを知るだけでなく、世界の霊能師達にその霊能力が人生に何をもたらしているのかを聞きたいと願う。
 良彦は反対するも、結局、折れて、二人でフランスへと飛ぶ。
 大会で、さくらは、壁の向こう側を透視するよう言われるのだが…」

・「Part.5」
「死者を透視した影響で、さくらは流産しそうになる。
 病院に運ばれた彼女は、医師の赤ん坊はダメだという言葉を聞くと、仮死状態になる。
 霊体だけになった彼女は霊界に行き、死神から赤ん坊を取り戻そうとするのだが…。
 その代償とは…?」

 井出知香恵先生のオカルト漫画です。
 霊能力者の半生を扱った内容ですが、「純愛」が底を流れるテーマとなっております。(レディコミでなくても、そうなったと思います。)
 もしも、井出先生が漫画家でなく、霊能力者だったら、この作品のヒロインみたいになったかも。
 困っている人がいたら、なりふりかまわず全力で助けそうです。

2021年11月29日 ページ作成・執筆

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