野中かをる
「ブギーガール@」(2024年10月8日初版発行)
「ブギーガールA」(2025年3月24日初版発行)
・「第1話 ブギーガールを知っているかい?」(単行本@)
「江戸川貞治は本屋の店員をしている独身の男性(30歳ぐらい)。
ある夜、彼は高校のクラス会に参加する。
彼は山岡かや子という女性を介抱し、店を出た後、ラブホテルでベッドインする。
ことの後、彼は夢野凛という女子生徒を夢で見る。
夢野はクラスぐるみのいじめにあっており、ある日、解体現場から転落して死亡する。
彼女の死体は無惨で、左目は鉄骨に貫かれ、左手は大きく裂けていた。
そして、彼は同じ傷を負った黒髪の女を目の当たりにすることとなる…」
・「第2話 悪い人は、いらない」(単行本@)
「江戸川は死体の第一発見者となるが、容疑はかけられずにすむ。
だが、あの時、体験した怪異を警察に主張するも、全く信じてはくれない。
彼は巷で噂の「ブギーガール」が気になり、仕事帰り、地下鉄の車内で調べてみる。
ブギーガールは最近、多発している殺人事件や他殺事件の犯人で、罪を犯した人間や後ろめたい人間の前に現れると言われていた。
ふと気づくと、電車内は真っ暗で、止まっている。
乗客も消えてしまっていたが、突如、彼は殴られる。
やったのはかや子の元・彼氏でストーカーの杉元健斗であった…」
・「第3話 いい人」(単行本@)
「電車内に再び黒髪の女が現われ、貫通路からは幾つもの手が現れ、健斗を引きずり込もうとする。
江戸川は彼を助けに行き、手の群れから彼を引き離す。
その時、電車がホームに着いたのか、ドアが開くのだが…」
・「第4話 オカルトとゴシップと警察」(単行本@)
「今度も警察は江戸川の言葉を信じてくれなかったが、ただ一人、警視庁の朱智(あけち)晴明という刑事だけは違った。
朱智は無類のオカルト好きで、個人的に幾つもの変死事件を調べているうちに都市伝説の「ブギーガール」に行き当たる。
そして、彼は江戸川の「左目と左手に傷」という証言が特徴的であることに興味を示していた。
その後、彼が本屋に出勤すると、出版社の古泉が現れる。
古泉は江戸川の同級生で、先日のクラス会にも出席していた。
江戸川が彼に夢野のことを話そうとすると…」
・「第5話 凶刃」(単行本@)
「仕事の後、江戸川が夜道を歩いていると、左目を黒髪で隠した女が彼の後をつけてくる。
この女は最近、彼の周囲に何度も出没していた。
しかも、女は紙袋から包丁を取り出し、彼に襲いかかってくる。
この女の正体は…?
そして、その目的とは…?」
・「第6話 夢野凛」(単行本@)
「夢野凛はいじめられていた。
しかし、決して「いじめ」が成立しないよう、バレないよう装われ、そういうゲームだと楽しむよう同調圧力があった。
ある時、江戸川は図書室で夢野と口をきき、仲良くなる。
その一方で、夢野に対するいじめは段々とエスカレートしていく。
そして、あの運命の日、江戸川はいじめっ子たちに逆らい、夢野を助けようとするのだが…」
・「第7話 犯して」(単行本@)
「江戸川は左目を黒髪で隠した女の働くバーを訪れる。
彼女の名は谷崎侃緒美(なおみ)といい、ブギーガールを捜していた。
その理由とは…?」
・「第8話 悪いのは誰だ」(単行本@)
「江戸川と谷崎のいるバーに御手洗華代という女性がやって来る。
御手洗は江戸川の同級生で、古泉と付き合っていた。
彼女は次は自分の番だと怯え、江戸川は彼女を安心させる。
彼女は顔を洗いに洗面所に行くが、急に停電が起こり、スマホが圏外となる。
江戸川はこれがブギーガールが出現する前兆だと気づくのだが…」
・「第9話 悪い人」(単行本A)
「姿を消した御手洗は下水道の中でブギーガールに追われていた。
ブギーガールの意識を御手洗からそらすため、江戸川が谷崎に求めたこととは…?」
・「第10話 弱者の罪」(単行本A)
「江戸川の考えが当たり、彼は下水道への移動に成功する。
そこでは御手洗が罪悪感による幻覚に苦しめられていた。
江戸川は彼女のもとへ駆けつけるが…」
・「第11話 主犯」(単行本A)
「下水道での体験で江戸川は夢野がブギーガールなのかどうか疑問を持つ。
それから数日後、朱智が江戸川の勤める本屋を訪ねてくる。
用件は同級生の馬場谷壮介についてであった。
馬場谷壮介は高校時代、来栖川鏡花と共に夢野いじめの主犯格で、その後は半グレとなり、警察からは要注意人物とされていた。
先日、彼が斡旋した女性と客の男がホテルで変死し、その場から逃走した彼はその容疑者とされる。
だが、馬場谷は犯行を否認しており…」
・「第12話 覚悟の行方」(単行本A)
「逃走中の馬場谷は谷崎侃緒美を人質にして、犯罪用の倉庫へと逃げ込む。
彼は谷崎が江戸川とつながりがあることを知り、彼女を犯そうとした時、その場に江戸川が現れる。
馬場谷は江戸川に殴りかかるが、谷崎は江戸川にある違和感を覚えていた…」
・「第13話 裏世界」(単行本A)
「草子には馬場谷も谷崎もいなかった。
江戸川は朱智に自分の体験を明かし、馬場谷と谷崎がブギーガールによって「ここじゃないどこか」に連れ去られたと考えを述べる。
そして、その場所に行くためには…」
・「第14話 真相」(単行本A)
「江戸川は夢野がいじめられていた時期に戻り、全てを知る。
夢野の死の真相とは…?」
・「第15話 江戸川貞治」(単行本A)
「江戸川は谷崎と再会するも、壁を突き破って、ブギーガールに殺された同級生たちが現れる。
崩壊するビルの中から二人は逃げようとするが、出口はどこなのかわからない。
その時、江戸川はあるものに気付き、自分が何故、今まで助かったのかを知る…」
・「第16話 ブギーガール」(単行本A)
「馬場谷の事件の後、特に目立った事件は起きず、一件落着したように見える。
だが、本当にブギーガールは消えたのであろうか…?」
・「第0話 読み切り版ブギーガール」(連載に先駆けて発表された読み切り。谷崎侃緒美の過去が描かれる。)(単行本A)
「堂坂はあるバーの常連客。
彼はバイトの谷崎侃緒美に想いを寄せていた。
ある夜の帰り際、彼は彼女からラインのIDを書いたメモを手渡される。
帰宅後、ウキウキしていると、彼女の仕事が終わる頃、突如、停電が起き、彼は悪い予感に襲われ、バーへと向かう。
すると、道の真ん中に谷崎が倒れていた。
彼は彼女を彼女のマンションに運び、いいムードになるのだが…」
都市伝説と過去のいじめられっ子の死がリンクするサスペンス・ホラーです。
個人的には意欲作と評価しており、好きな作品なのですが、これ、実に惜しい作品なんです。
と言うのも、野中かをる先生は「初めてのホラー連載」とのことで、慣れないせいか、釈然としないところや練り込み不足が幾つもあるのです。
また、単行本が二巻しかないのもボリューム不足で、物足りません。
と欠点をあげつらいましたが、それでも、「初めてのホラー連載」にしては、とても不穏な雰囲気が横溢していて痺れます。
残酷描写も頑張っておりますし、ストーリーもミステリーの要素を都市伝説とうまく絡め、読ませます。
それと、女性の描写が実に艶っぽいのもポイント高めで、作品としての魅力は高いんです。
ただ、ホラーに不慣れなために「全ては描ききれ」ず、「あともう少し!!」な印象を与える作品になってしまったのは返す返すも残念です。
ともあれ、機会があれば、野中かをる先生にはまた怪奇マンガにチャレンジしていただきたいものです。
2026年1月19・20日 ページ作成・執筆