御茶漬海苔「密室倶楽部」(1996年10月10日第1刷発行)

・「密室倶楽部」(「月刊チャキチャキ」1990年5月号)
 東武中学校に通う明智、アリサ、龍の三人。
 彼らは「密室倶楽部」を結成し、放課後、大都会の中に潜む「不思議」を探検する。
 彼らが遭遇する「不思議」とは…?
「第一話 蜘蛛」
 明智とアリサは、無人の古い団地を探検する。(龍は掃除当番。)
 二人はふとしたことでエレベーターに閉じ込められてしまうが、中は蜘蛛の巣でいっぱいであった。
 明智はアリサを肩車して、天井の脱出扉を探させるのだが…。
「第二話 蝶」
 明智達は、廃ビルの地下室に樹木が生え、蝶がたくさん棲息しているのを知る。
 窓から明智とアリサが入ると、中は暑く、まるでジャングルのようであった。
 しかも、下面は底なし沼になっており、犠牲者の白骨がうずもれていた。
 二人は地下室からの脱出を図るが…」

・「桜子」
「森岡桜子は、桜丘高等学校に通う少女。
 彼女の母親は彼女を産んですぐに亡くなり、公務員の父親が男手一つで大事に育ててくれた。
 桜の花開く季節になると、彼女は父親と誕生パーティをして、翌日、母親の墓参りに行く。
 だが、16歳の誕生日に、彼女はクラブの涼先輩に誘われていた。
 彼女は父親に部活があると嘘をつき、墓参りの後、涼先輩の部屋に行く。
 彼は彼女の身体を求めるも、彼女は拒否。
 帰宅後、父親の部屋で日記を見つけるが、そこには彼女が捨子だと書かれていた。
 その夜、涼先輩は首吊り自殺をする。
 悲嘆に暮れる桜子に、涼先輩の友人のガイが話しかける。
 彼によると、涼先輩は何者かに殺されたらしく、「50ぐらいの男」が彼の部屋を眺めていたらしい。
 二人は犯人について調べるのだが、意外な事実が明らかになっていく…」

・「兄弟愛」
「紅山コーポレーションの新入社員、星川夏美。
 彼女は、エリート社員の徳田の助手となる。
 彼は彼女に好意を持ち、食事の後、家まで送った際に、時計をプレゼントする。
 だが、この時計には盗聴機が仕掛けられていた。
 盗聴するうちに、徳田は、夏美は、二つ年下の秋彦と肉体関係があり、赤ん坊までいることを知る…」

・「怪談タクシーの女」
「青島克彦は、社長令嬢との結婚の話が出たため、長い付き合いの弘美を捨てる。
 ホテルを出た後、土砂降りの中、タクシーを拾い、所沢に向かう。
 途中、若い女性と相乗りになるが、彼女は、彼が結婚する予定の社長令嬢、百合子であった。
 二人はホテルに入るのだが…」

・「走り書き…」(巻末付録・御茶漬海苔の同人誌時代の作品)
「井上みきは、夫の事故死を聞き、更に、そのショックで流産する。
 呆然自失のみきは実家で療養するが、一日中、ぼーっとして、他人には見えない何かを見ているようだった。
 そして…」

・北川玲子・解説「〈御茶漬海苔〉とは? クールビューティ御茶漬海苔」

2022年1月4日 ページ作成・執筆

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