室井まさね
「屍囚獄@」(2015年7月1日初版発行)
「屍囚獄A」(2015年10月31日初版発行)
「屍囚獄B」(2016年5月6日初版発行)
「屍囚獄C」(2016年10月31日初版発行)
「屍囚獄D」(2017年4月10日初版発行)



・「第1幕:骸啼く」(単行本@)
「M県T山地、N県との県境付近にある八坂村(村民は43人)。
 この村を東京の比良坂大学の一行がフィールドワーク(現地調査)に訪れる。
(メンバーは以下の通り。
 葦原〜大学の民俗学教授。
 香坂〜葦原の助手。知的な女性。
 高木美琴〜普通の女子学生。本作のヒロイン的存在。
 市辺このは〜関西弁のサバサバした性格。ブラコン。
 熊野比奈〜裏表の激しいギャル。SNSが大好き。
 沙霧〜ミスコンで優勝したことのある美人。意外とキツい。
 東美耶〜デブでガサツで強圧的。ヘビースモーカー。
 五瀬さより〜美耶の奴隷。気弱な眼鏡っ娘。)
 彼らは村長の天野を訪ね、その家に滞在することとなる。
 この天野家は猿田彦神の子孫と言われており、今の当主は41代目の猿田彦であった。
 そして、毎年一月に行われる「ふなど祭」では当主は猿田彦神の仮面(天狗の面によく似ている)をつけ、天孫降臨の際、猿田彦神がニニギノミコト一行を先導したという説話を再現するという。
 その夜、村人たちにより彼らの歓迎会が行われる。
 この村には若い娘が一人もいないらしいのだが、この家の最上階には…」

・「第2幕:叢雲立つ」(単行本@)
「翌日、葦原・香坂・美琴・このは、さよりの五人は天野に案内され、神社の御神体を見に行く。(美耶は飲み過ぎでキャンセル、比奈と沙霧は行方不明。)
 途中、雷が鳴りだし、嵐がやって来るというので、一行は家に戻るが、さよりは嵐の中、美耶の煙草を買いに行き、葦原は心配して車で彼女を迎えに行く。
 その直後に比奈が戻ってくるが、彼女は汚れまみれで放心状態であった。
 しかも、彼女は猿田彦神の仮面を見てパニックを起こし気絶する。
 美琴たちが彼女を介抱している時、沙霧も帰ってくるのだが…」

・「第3幕:海月なす」(単行本@)
「土砂降りの中、葦原はさよりを車で撥ねてしまう。
 葦原は彼女を病院に運ぼうとするが、町への道は土砂崩れによって寸断されていた。
 一方、意識を取り戻した比奈は天狗に襲われたと訴える。
 だが、彼女と一緒にいたはずの沙霧は何も知らないと答え…」

・「第4幕:咎人」(単行本@)
「葦原教授の帰りがあまりに遅いので、香坂、美耶、貴彦(天野家の次男/26歳)の三人は車で様子を見に行く。
 途中、道の真ん中にさよりの眼鏡やサンダルが転がっており、何かが彼女に起こったらしい。
 香坂は手分けをして捜そうとするが…」

・「第5幕:籠女」(単行本@)
「美琴は伊助(天野家の長男。体格は良いが精神薄弱)に奥の間に連れていかれる。  そこには老婆が臥せっており、当主の妻のようであった。
 老婆は彼女に「ウズメ」にされるから、この村から早く逃げるよう警告する。
 その頃、貴彦も香坂たちをこの村から脱出させるために車を飛ばしていた。
 途中、彼らはさよりと合流するが、彼女は見知らぬ男に追われていた…」

・「第6幕:隠(おに)」(単行本A)
「比奈はこの村に殺人鬼がいると主張するも、現場にいたはずの沙霧さえ耳を貸そうとしない。
 彼女は殺人鬼の正体は伊助だと思い込み、姿を隠す。
 一方、香坂・美耶・さよりの三人は山小屋に隠れていたが、香坂は一人で貴彦の様子を見に行く。
 すると、軽トラに乗った村人が彼女に声をかけてくるが…」

・「第7幕:誰そ彼」(単行本A)
「美琴は家でアルバムを発見する。
 貴彦の写真を見ていると、母親と写っている写真がないことに気付く。
 しかも、どのアルバムを調べても、女性が写っている写真は一枚もなかった。
 どうやら百年以上前からこの村には女性がいなかったようなのだが…。
 その頃、比奈は二階に隠れて、スマホで必死に助けを呼ぼうとするが、全く通じない。
 そこに沙霧が現れる。
 彼女は比奈に天狗男は自分たちの味方だと話すのだが…」

・「第8幕:宇受売(うずめ)」(単行本A)
「美琴はこの家の家系図を見つけ、奇妙なことに気付く。
 この家に嫁に来た女性は皆、「宇受売」と書かれていた。
 村長も自分の妻を「うずめ」と呼んでおり、美琴は先ほど、この家の老婆に言われた言葉を思い出す。
 一方、比奈は天狗男に追われ、窓から外へ跳び下りる。
 彼女は軽トラに逃げ込むが、キーがなく、しかも、何者かが軽トラに近づいてくる…」

・「第9幕:顕(うつつ)」(単行本A)
「天野家に忍び込んだ謎の男。
 当主は彼を村はずれに住む、素行不良のタケルだと説明するが、貴彦は男のことを知らないようであった。
 美琴は行方不明の仲間たちが心配ではあったが、この土砂降りに加え、スマホの電波は通じず、とりあえず、朝を待つしかない…」

・「第10幕:詛い(とこ・い)」(単行本A)
「香坂は逃げている最中、宇受売神社の宮司、鹿屋野に保護される。
 鹿屋野家は天宇受売命を祖神とする猿女氏の血をひく一族であった。
 香坂は彼に今まであったことを話すと、彼は彼女に村長の所には戻らないよう勧める。
 この村は狂っているというのだが、それには六百年前のむごたらしい事件が絡んでいた。
 「うずめ」の祟りとは…?」

・「第11幕:蝿声す(さばえな・す)」(単行本B)
「朝、このはが目を覚ますと、彼女の後を伊助がずっと付いてくる。
 家の中だけでなく、外出しても後を追ってくるので、彼女は急に駆けだして、伊助をまくのに成功。
 しかし、二人の村人に彼女は捕らえられてしまう。
 村では「狩り」が始まっていた…」

・「第12幕:諸共に」(単行本B)
「目を覚ますと、このははおらず、美琴は一人きりであった。
 村長と老婆の話を立ち聞きして、彼女は自分たちが村人たちに狙われていることを知る。
 彼女はこのはを探して二階に行くと、そこで「うずめ」と名乗る少女と出会う。
 うずめの両親が亡くなったらしく、ずっとここに監禁されていたらしい。
 美琴はうずめと共に家から逃げ出すのだが…。
 その頃、比奈は村をさまよい、ある小屋に身を隠す。
 その中には幾つもの死体がぶら下がっていた。
 あまりのことに固まっていると、背後から声をかけられる。
 そこには血まみれのさよりがしゃがみこんでいた…」

・「第13幕:悪事(まがごと)」(単行本B)
「比奈はさよりと行動を共にするも、誰を信用していいかわからない。
 その時、思いついたのは貴彦だが、だからと言って、あの家には戻りたくない。
 そこで彼女はさよりに天野の家に向かわせるのだが…。
 一方、美琴とうずめは二人の村人に襲われる。
 そこに現れたのは…」

・「第14幕:天ツ罪」(単行本B)
「美琴とうずめは鹿屋野に匿われ、香坂と再会する。
 香坂と鹿屋野は美琴から話を聞くが、どうもわからないことがある。
 天狗面の男は人を襲うかと思いきや、助けることもあり、どうも行動が一貫しない。
 天野の家にある猿田彦の面はいろいろと曰くがあるようなのだが…」

・「第15幕:軛」(単行本B)
「夜、美琴は社務所から抜け出し、天野の家に向かう。
 彼女は老婆の部屋に行き、伊助に何故、あんなことをさせたのか尋ねる。
 老婆の話を聞くうちに、美琴は今まで抱いてきた違和感の正体に気付く…」

・「第16幕:垂乳根」(単行本C)
「美琴とうずめを捜すため、香坂は天野の家に向かう。
 森の中を通っていると、土砂崩れを起こしており、大量の人骨が露出していた。
 そこにあの謎の男が現れる。
 彼の正体は…?
 その頃、天野の家では美琴が天狗面の男に襲われていた。
 老婆はその斧の餌食となり…」

・「第17幕:十六夜」(単行本C)
「村の広場では伊助が母親殺しの冤罪を着せられ火あぶりにされる。
 それを止めようとした美琴は村長の天野によって蔵に監禁される。
 また、さよりは村人たちの手に渡るが、村人たちは彼女を利用して比奈の居所を掴もうと考える。
 そして、山の中からは香坂とあの男が広場を見下ろし、様子を窺っていた…」

・「第18幕:火群」(単行本C)
「美琴とうずめは逃げている途中、あの男の姿を目にする。
 そして、彼が出てきた茂みには香坂の死体があった。
 一方、比奈は男たちに捕まるも、隙を見て逃げ出し、鹿屋野に助けられる。
 また、天野の家では村長が老婆の死体を埋めていた。
 ふと気配を感じると、背後に天狗面の男が鉈を手に立っていた…」

・「第19幕:敵人」(単行本C)
「貴彦はあの男に追われる。
 うずめと美琴は男の妨害をして、三人で逃げる。
 貴彦はうずめを抱いて逃げるが、崖で行き止まりになる。
 絶体絶命のその時…」

・「第20幕:醜女」(単行本C)
「天野の家から出た火は村全体に広がりつつあった。
 その様子を見て、さよりは今までの鬱屈した感情を解放させる。
 その頃、美琴は貴彦とうずめからはぐれ、山中を一人さまよっていた。
 すると、彼女の目の前に能面の小面(こおもて)を付けた、和装の人物が現れる。
 その手には鉈が握られていた…」

・「第21幕:言問う」(単行本D)
「美琴は小面の人物が殺人鬼だと直感する。
 小面の人物に襲われ、美琴が窮地に陥った時…。
 その頃、比奈は鹿屋野について社務所に向かっていた。
 そこで待っていたのは…?」

・「第22幕:幣帛(みてぐら)」(単行本D)
「鹿野屋は猿田彦の呪いを終わらせるには生贄が必要と考える。
 その生贄に選ばれたのは…?」

・「第23幕:審神者(さにわ)」(単行本D)
「美琴たちは鹿野屋を止めようとする。
 しかし、彼の日本刀の前では…。
 一方、村では火事の勢いが収まらず、山にまで広がっていた。
 村人たちはさよりを連れて旧道へと向かうが、途中、吊り橋があり…」

・「第24幕:禍つ神」(単行本D)
「美琴の前に再び天狗面の人物が現れる。
 その正体は…?
 美琴はうずめを抱いて逃げる途中、裂けめに踏み込み、洞窟らしき場所に落ちる。
 そこは…」

・「第25幕:うずめ」(単行本D)
「多くの犠牲を払いながら、事件は終わった。
 しかし、美琴にはまだ終わら…」

 「Webコミックガンマ」に掲載された「伝奇ホラー・サスペンス」です。
 一応、民俗学の要素を採り入れてはおりますが、「妖怪ハンター」のように小難しいものではなく、それよりも因習的な山奥の村でのサバイバル・ホラーの側面の方が強いです。
 加えて、若い娘が片っ端から惨殺されていくので、個人的には、「伝奇ホラー」の皮をかぶったスラッシャー漫画だと考えております。(ラストを見れば、私の言わんとしていることに納得していただけると思います。)
 実際、人が容赦なく殺されていき、豪快なスプラッター描写も幾つかあるため、人によってはかなりツボに入るのではないでしょうか。
 表紙を見て「良さそうだ」と感じた方は、期待を裏切られることはありませんので、読まれて損はないかと思います。

2026年1月2・4・5日 ページ作成・執筆

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