楠桂「デッドリー・カーニバル」(2002年1月10日初版発行)

 収録作品

・「デッドリー・カーニバル」(「Wings 2000年2月号」初出)
「小さな町に、カーニバルがやって来る。
 カーニバルの売りは「本物の悪魔と魔女」。
 それを確かめに、三人の若者(レオ、アート、エミリア)は夜中、テントに忍び込む。
 だが、そこには「妖精アンジュ」と名乗る仕掛け人形、「千年とかげのレナード」らしいトカゲ、「魔女エリザベート」と呼ばれる蝋人形といった、子供だましなものばかり。
 本命の「悪魔」を見ようと、奥の階段を昇ると、彼らの足元の檻に、その悪魔が入っていた。
 といっても、それは単なる、ライオンの剥製。
 カーニバルのピエロによると、三百年前、ライオンに悪魔が乗り移り、多数の人間を殺害する。
 魔女エリザベート、妖精アンジュ、千年とかげのレナードは、悪魔を封じ込めるが、相討ちとなり、エリザベート達も現在のような姿になってしまったという。
 レオ達は鼻で笑うが、怪我をしたエミリアの血がライオンの剥製にしたたり、悪魔が復活。
 悪魔は、アートに幻覚を見せて、檻を開けさせると、殺戮を開始する。
 また、処女の血をもっと得るために、アートを死体を使って、エミリアをさらう。
 レオは、エミリアを救うために、魔女エリザベートに左小指の爪を捧げるのだが…」

・「うらめしや百科」(「Wings 1999年8月号・9月号」初出)
「霊が日常的に見えるが、それだけの女子高生、堂本晶(17歳)。
 イケメン好きの友人達に巻き込まれ、一年生の藤木荘太と関わることとなる。
 彼にはばっちりと霊が憑いており、晶は彼の除霊をする破目となるのだが…。
 そして、彼と出会ったことがきっかけとなり、彼女は「神の依童(よりわら)」の候補とされてしまう…」

 「デッドリー・カーニバル」は好きな作品です。
 楠桂先生の描く、ジプシー風の女性っていいなあ。
 「うらめしや百科」はホラー・コメディなのですが、後半が説明不足なのが惜しいです。

2020年1月7日 ページ作成・執筆

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