箱ミネコ「幼い頃から怪奇体験がとまりません」(2016年6月2日初版第一刷発行)

 収録作品

・「はじめに」
・「怪奇体験1 フレンケンモモエ伝説」
・「怪奇体験2 ガラス少女」
・「怪奇体験3 不思議なトンネル」
・「怪奇体験4 こびとの妖精さんを見たよ」
・「怪奇体験5 新幹線怪談」
・「怪奇体験6 木霊」
・「怪奇体験7 円盤と怪獣」
・「怪奇体験8 どうしても怖い道」
・「怪奇体験9 エスパーだよ!?」
・「怪奇体験10 兄妹テレパシー」
・「怪奇体験11 水辺の記憶」
・「怪奇体験12 恐怖のおひな様」
・「怪奇体験13 Gのダストシュート」
・「怪奇体験14 燃えるジュース」
・「怪奇体験15 先輩の遺影」
・「怪奇体験16 踏切り怪談」
・「怪奇体験17 肝試しのトラウマ」
・「怪奇体験18 ヤンキー姐さんの心霊ホッとロード!」
・「怪奇体験19 同姓同名の女」
・「あとがき」
(初出/「怪奇体験1」…「本当にあった愉快な話」2016年6月号/「怪奇体験2〜9」…「本当にあった愉快な話」2013年5月号〜12月号、「怪奇体験10〜18」…「本当にあった愉快な話」2014年2月号〜10月号、「怪奇体験19」…「本当にあった愉快な話」2014年12月号)

 「あとがき」によると、この作品は『「昭和トラウマ世代」というタイトルで連載されていた話をまとめたもの』(p126)なのだそうです。
 箱ミネコ先生は、幼い頃から、ビビりのわりに、オカルト体験が多かったようで、本書の帯でも「すべて真実!だって体験しちゃったんだもの」と断言。
 そんな筆者の怪奇トラウマ譚のエッセイ・コミックなのですが、まず、その多彩さが魅力。
 典型的なオカルト譚から、都市伝説、妖精、超能力、人形奇談、更には、ゴ※※リ、時代を感じさせる過激派の出てくる話や真に「トラウマ」な「同姓同名の女」等、オカルト一辺倒でなく、飽きさせません。
 また、作者の子供の頃の思い出や、当時の風俗等にも言及があり、味わい深いです。
 そして、ラストの「あとがき」に、非常に含蓄のある文章がありました。
「女の持つ「霊感のようなもの」とは「守るべきもの」に備えるため、「霊的な気配」をシャドウボクサーに見立てて本能的に鍛錬される感覚なのかも?」(pp126・127)
 そう考えると、なるほど、「霊感のようなもの」は、種を植え付けるだけの男には、大して必要のないものなのかもしれません。

 ちなみに、個人的に感銘を受けた話は「木霊」と「エスパーだよ」。
 作中で度々登場する、クールで学者肌(?)なお兄様も魅力的なキャラです。
 「水辺の記憶」と「恐怖のおひな様」は、ガチで恐いので、ご用心。

2018年8月28日 ページ作成・執筆

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