青木智子・他「学校に伝わる怖いうわさ@」(1995年9月7日発行)

 収録作品

・青木智子「第一話 呪うということ…」
「小学校の頃、いじめられていた少女が、中学校でもいじめっ子と再会。
 また、いじめられると思った少女は、ある夜、見かけた丑の刻参りを試してみることにする。
 呪いはうまく発動し、少女は嫌な奴らに次々と呪いをかけるが…」

・青木智子「第二話 うらむわよ」
「テスト中、隣席の優等生がカンニングしていたのを見かけ、それをばらしてしまった少女。
 彼女が夜、勉強していると、優等生の生霊が彼女の部屋を訪れ、散々彼女を罵るのだった…」

・青木智子「第三話 樹上の光景」
「公園の木の上に登っていた少女は、交通事故を目撃する。
 女性が血まみれになって倒れる様を見て、少女は現場に駆けつけるが、そこでは何も起こっていなかった。
 その女性は生きた人間ではなかったのだ。
 夜、女性が少女の部屋にやって来る…」

・青木智子「第四話 山奥にて」
「夏休みを田舎の実家で過ごす少女。
 彼女は遠出をした帰り道、怪異に遭う…」

・青木智子「第五話 焼けおちた家で」
「近所の半ば焼け落ちた廃屋。
 小学生達は探検と称して、中に入ってみるが、そこには異形のものが…」

・TAMI「第六話 祟ってごらん」
「クラスで流行っている、こっくりさん。
 しかし、実際はクラスのリーダー格の少女が自分の都合のいいように十円玉を動かしていただけだった。
 その少女の暗い心が魔を招く…」

・TAMI「第七話 もどってこない」
「ある公園のトイレに行った少女が行方不明となる。
 数年後、同様の事件が起こり、不審に思った女子中学生二人がトイレを覗くと…」

・TAMI「第八話 学校へ行こうよ」
「仲良しの女友達を交通事故で亡くした少女。
 少女はすぐに助けを呼ばなかったことに良心の呵責を感じ、部屋に引きこもる。
 ある日、死んだはずの友達が少女のもとに現われ、少女は彼女に手を引っ張られるまま、外に出る。
 友達が向かうのは…」

・赤衣べべ「第九話 夏合宿の思い出」
「小学五年の夏合宿。
 少女は、女性が金鎚で殴り殺されるという夢を見る。
 あまりの恐ろしさに少女は目を覚ますと、彼女の隣にその女性が座っていた…」

・赤衣べべ「第十話 線路で遊べ」
「線路で遊ぶなと言われつつも、線路付近で遊ぶ子供達。
 彼らはある日、女性が線路に飛び込むところを目撃し、子供達は一目散に逃げ出す。
 一人逃げ遅れた少女の背後には、さっき轢かれたはずの女性が…」

・たかむらよしやす「第十一話 探しもの」
「放課後、忘れ物を取りに来た女生徒は教室の隅に蹲っている女生徒がいるのに気付く。
 彼女に声をかけると、彼女はものを捜しているという。
 彼女が捜しているものは…」

・たかむらよしやす「第十二話 誰かが死ぬトイレ」
「この学校で死人が出る時、その予告として北校舎一階のトイレに血文字の予告が書かれるという噂。
 実際に、その予告があり、気味悪がって、誰もそこに近寄らない。
 そんな噂を信じない女生徒は、混雑したトイレを避けて、そのトイレを利用するが…」

・浅茅峰子「第十三話 待ち合わせは朝六時」
「彼氏を含めた友人達との旅行。
 友人達はワゴン車で、彼氏はオートバイで待ち合わせ場所にやってくる予定。
 啓子が待っていると、ワゴン車の友人達がやって来て、啓子の彼氏は途中事故で即死したと告げる。
 信じられずに、啓子は待ち合わせ時間まで彼氏を待とうとする…」

 青木智子先生の禍々し過ぎる表紙が眩しい、「学校で伝わる怖いうわさ」の第一弾です。
 どれだけ売れたのか、いまいち謎なのですが、なかなか手に入れにくい本であります。
 大抵、この手の本はありきたりな心霊体験のマンガ化ばかりで大して面白くないものが多いのですが、これは創作ものが中心なので、心配いりません。(心霊体験ものが好きな人にはがっかりかもしれません。しかも、結構グロい話が多いので、そういうのが苦手な人にもイマイチかも…。)
 個人的な白眉は、青木智子先生の作品であります。
「禍々しい」という言葉を、マンガというメディアで体現できた人を、日野日出志先生を除いて、青木智子先生以外に私は知りません。
 どの作品も素晴らしいのですが、この本に関しては、「呪うということ…」がダントツでしょう。
 藁人形による呪いを扱ったマンガは、つのだじろう先生の時代から連綿と描き継がれておりますが、私が知っている中での最高傑作だと思います。
 読むだけで呪われそうなマンガって、昭和から平成に時が移ってから、めっきり激減したような気がします。
 そういう寂しさを心から拭い切れない私にとっては、こういうマンガは非常に愛しいものであります。
(こんな親父に言われたところで、大して嬉しくないとも思いますが…。)

 
平成27年1月28日 ページ作成・執筆

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