青木智子・他「学校に伝わる怖いうわさB」(1996年8月17日発行)

 収録作品

・青木智子「第二十五話 呪いの肖像画」
「好きな男子生徒に頼まれ、絵のモデルになっている女子生徒。
 彼女は、両想いになれるよう、絵におまじないをかける。
 が、彼女は交通事故死してしまい、絵に魂が宿ってしまう。
 キャンバスから離れた彼女の絵は、近くにいた人間に張り付き、好きな男子生徒のもとに向かう…」

・青木智子「第二十六話 自殺未遂」
「自殺の真似事を繰り返し、周囲の注目を集めるのに躍起な女子生徒。
 彼女を心配して、口添えしてくれていた友人も愛想を尽かし、彼女から離れようとする。
 そんな女友人に夜、線路へ飛び込み自殺をするという電話が女子生徒からかかってくる。
 線路上の陸橋まで来た女友人と、女子生徒は無理心中を図ろうとするが、女子生徒だけ助かってしまう…」

・青木智子「第二十七話 真夜中の電話」
「噂によると、夜中の二時に、電話を「6・6・6」と三回ダイアルして切ると、すぐにコールがあるという。しかし、そのコールに応答すると、呪いがかかるとのこと。
 ある女子中学生が試してみると、実際にコールがあった。
 出てみると、大きい家に学校に行かずに住んでいる同年齢の少女が、適当にかけたものだと言う。
 女子中学生とその少女はすぐに仲良くなり、毎晩遅くまで電話で話すようになる。
 が、深夜までの長電話を親に叱責され、女子中学生はその少女の家に家出するが…」

・TAMI「第二十八話 ちょうどその時」
「妊婦の女性は、彼女の弟が駅でチンピラに絡まれ、左腕を刺されるという夢を見る。
 そして、後日、彼女が弟に会うと…」

・TAMI「第二十九話 後部座席」
「友人二人とドライブに行った時の話。
 夜道を走っていると、火の玉が車目がけて、飛んでくる。
 火の玉は消えるが、後部座席に髪の長い女がいつの間にか座っている…」

・穂波到「第三十話 地下道の怪」
「大阪近鉄線U駅の地下道に女性の幽霊が出るらしい、という話。」

・穂波到「第三十一話 放課後の部屋」
「放課後、幽霊が出るという噂のある校舎の中にある部室に、忘れ物を取りに帰る生徒達の恐怖を描いた話。」

・新井十二(とうじ)「第三十二話 墓地に沿う道」
「彼岸過ぎの雨模様の日。
 墓地の近くを通りがかると、自転車の後を誰かが引っ張っている…」

・青木智子「第三十三話 リコーダーの呪い」
「不器用な生徒をいびっては、ストレス解消をする音楽の先生。
 放課後のリコーダーの補習の時、その先生の前に、以前、先生に指導を受けたという女生徒が現われる。
 しかし、彼女は二年前に、喘息の発作で亡くなっていたのだった。
 女生徒がリコーダーを吹くと…」

・青木智子「第三十四話 親友」
「クラスで何となく孤立している女子生徒。
 彼女にも唯一親友と言える人がいて、朝の六時から八時までお喋りしたり、勉強を教えてもらったりするのだった。
 ある日、彼女はその女友達が別の女生徒と一緒にいるのを見て、嫉妬。
 彼女を独占しようと詰め寄った時、女友達は階段から足を踏み外して、転落してしまう…」

・青木智子「第三十五話 トイレ」
「誰もいないはずなのに、トイレでノックの音がする、という噂。
 それをバカにされて、泉はバカにした女子生徒を女子トイレで脅かそうとする。
 うまく成功するものの、泉は、噂のトイレのノックの正体を知る破目になる…」

・青木智子「第三十六話 屋上」
「他の生徒をカツ上げする不良の女子生徒。
 彼女は屋上で花を捧げ、許しを請う女子生徒に目を付ける。
 女子生徒が祈っている場所は半年前に生徒の飛び降り自殺のあった場所だった。
 不良の女子生徒は、その女子生徒から話を聞く。
 その女子生徒も、別の不良の女子生徒からカツ上げをされていたのだが…」

・青木智子「第三十七話 血の鏡」
「倉庫の隅にしまわれている、布で覆われた、大きな鏡。
 これは不思議な鏡で、全身が映ると、目まいがして吸い込まれそうになるため、覆いをして、ここに隠してあるという。
 この倉庫に、こっそりと煙草を吸いに来た女子生徒は、先生に見つかりそうになり、鏡の覆いの中に潜り込む。
 先生が布をはぐると、その女子生徒がいることはいたが、鏡の中にいるのだった…」

 第三弾を迎えたこのシリーズ、この本は青木智子先生の独壇場であります。
 青木先生の作品はどれも読み応えがありますが、「呪いの肖像画」「自殺未遂」「屋上」あたりの出来が突出しているでしょう。
 あのひたすらにドス黒い絵を見るだけで、呪われそうなマンガばかりです。(絶賛してます!!)
 一方、他のマンガ家さんたちの作品は、心霊体験を扱ったマンガを二三冊読めば出てくるようなありきたりな内容ばかりで、イマイチです。
 この内容の差の開き方に、編集方針が定まらなかったのではないか?と私は考えているですが、実際はどうなのでしょうか?(何でもあり、だったのかも。)

平成27年1月28日 ページ作成・執筆

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