武中英雄
「喰姫@」(2016年5月9日初版発行)
「喰姫A」(2016年11月9日初版発行)
「喰姫B」(2017年6月9日初版発行)
「喰姫C」(2018年1月9日初版発行)
・「第一話 邂逅」(単行本@/「月刊ドラゴンエイジ」2016年1月号)
「大学四年生の男女が五人、スキー旅行の帰りに心霊スポットの廃墟に立ち寄る。
(登場人物は以下の通り。
紀藤誠二〜主人公。早瀬とカップル。
早瀬舞衣〜紀藤の恋人。眼鏡っ子。
須賀明弘〜ガタイのいいあんちゃん。星野の恋人。
星野沙希〜強気なねーちゃん。須賀の恋人。
御厨(名前不明)〜ちょっぴりマニアが入ってる。早瀬のことが好きだったが、フラれた。)
この廃墟は元・旅館で、御厨によると、ここでは廃墟マニアが何人も失踪していた。
紀藤と早瀬が中に入り、二人はそこでいい雰囲気になるが、二階で何者かの足音が聞こえる。
紀藤が様子を見ると、派手な着物姿の女性がこちらに歩いて来る。
紀藤は管理人かと思い、話しかけるが、早瀬は女性を見ると、顔色を変え、彼を連れて逃げようとする。
だが、着物姿の女性が跳躍すると、早瀬の首は切断。
女性は紀藤が目的らしく、彼はその場から逃げ出すが、非常口は塞がれていた。
すると、「こっちに…早く」という声が聞こえ、そちらへ向かうと、着物姿で真っ白な髪の少女がいた。
彼は自分が囮になり、少女をここから逃がそうと考え、彼女の手を握る。
その瞬間、懐かしい感じを覚えるのだが…」
・「第二話 逃避」(単行本@/「月刊ドラゴンエイジ」2016年2月号)
「紀藤の話を聞き、須賀・星野・御厨の三人は廃墟の中に入る。
スマホの着信音を頼りに、舞衣の居場所を突き止めたものの、そこには無惨な死体があった。
しかも、あたりには多くの人骨が散らばり、人間を食べているらしい。
その場にあの派手な着物姿の女性が現れる。
須賀は攻撃するも通じず、星野の機転で三人は廃墟から逃げ出す。
一方、紀藤は再びあの白髪の少女と出会っていた。
彼女の名はキリで、どうやら人間でない。
紀藤は須賀たちと合流し、車で逃げるが、彼はキリを連れて行く。
だが、星野はキリを見て、嫌悪感を隠さない。
どうやら着物姿の女やキリは男性には普通の人間に見え、女性には化物に見えているようなのだが…」
・「第三話 走狗」(単行本@/「月刊ドラゴンエイジ」2016年3月号)
「逃げる途中、紀藤たちは罠にかけられ、山田という老人に拉致される。
山田は人喰い女、ねね様の手下であった。
逃げる機会を作るため、御厨は山田に車を隠すよう提案する。
その頃、彼らの通報を受けて、吾妻巡査と先輩の巡査がこの付近にやって来るのだが…」
・「第四話 訣別」(単行本@/「月刊ドラゴンエイジ」2016年4月号)
「紀藤たちを逃がすため、キリはねね様と「私闘」をする。
吾妻巡査の援護もあり、紀藤たちはパトカーにたどり着くが、キリのために、紀藤は残ることを決意する。
御厨もまた…」
・「第五話 追憶」(単行本@/「月刊ドラゴンエイジ」2016年5月号)
「ねね様から逃げて一息ついた時、紀藤と御厨はキリから彼女やねね様の正体を聞かされる。
彼女たちはかつて「妖(あやかし)」と呼ばれた存在であった。
そして、彼女が何故同族と戦うのかというと、「奴らを殺せ」という声が聞こえたからと話す。
また、彼女と紀藤は過去に何らかの関りがあるのだが…。
一方、須賀、星野、吾妻巡査を乗せたパトカーの前に化物が現れる。
吾妻巡査はこの危機を乗り越えるが…」
・「第六話 叛逆」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年6月号)
「ねね様が紀藤たちを追うと、森の中に御厨と血まみれの紀藤がおり、そして、キリの片腕が落ちていた。
どうやら仲間割れを起こし、キリは紀藤をかばって撃たれて傷つき、紀藤も結局射殺されたようであった。
御厨はねね様に自分を彼女たちの協力者にしてほしいと提案する。
交渉は成立するかに見えたが…」
・「第七話 流転」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年7月号)
「紀藤たちはねね様を追い詰めるも、そこに彼女の仲間が現れる。
それは皆、若い女性の姿をしており、ねね様の妹分らしい。
しかし、加勢に来たのではなく、その中の一人の少女はねね様の胴体に腕を突き刺す。
彼女はねね様を「老害」と呼び、山奥での不自由な暮らしでなく、自由に憧れていた。
少女はキリと争う気はなかったが、かと言って、追われるのも困るので、「時間稼ぎ」にあるものを置いていくのだが…」
・「第八話 悪夢」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年8月号)
「紀藤の前に現れた、銃で武装した女性。
彼女は彼を狩猟小屋へと案内し、話をする。
彼女の名は黒羽麻美。娘を化物にさらわれ、夫を化物に殺され、今、化物退治に命を賭けていた。
紀藤は彼女から娘の写真を見せられるが、その娘とは…?」
・「第九話 心火」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年9月号)
「紀藤は黒羽麻美の化物退治に同行することを決意する。
彼女のことはとても理解はできないが、それでもこれ以上の犠牲を出したくない。
紀藤はキリに協力を仰ぎ、キリは彼を「安全な所まで送り届ける」約束をする。
車で化物の向かっているであろう場所に移動していると、早速、化物たちと遭遇する。
そこにはあの少女の姿もあった…」
・「第十話 母子」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年10月号)
「黒田麻美は左手を怪我するが、キリの加勢により窮地を脱する。
また、敵の個体差を観察するうちに、彼女はボスを見出す。
一方、化物の側は劣勢になるが、少女はそれを挽回するアイデアを思いつく。
化物たちはキリたちから距離を取り、何かを待っているようなのだが…」
・「第十一話 傷痕」(単行本A/「月刊ドラゴンエイジ」2016年11月号)
「戦いの場に突如現れた自衛隊らしき男たち。
化物は少女以外、射殺され、紀藤たちは連行され、キリは拘束される。
特定有害生物対策所本部で紀藤は班長の六城という男と会う。
六城は化物を「リーパー」と呼び、彼らはその対策に当たっていた。
本来、リーパーは人目を避けて生きているため、今回のような大きな被害は異例中の異例であり、六城は「タガが外れるような」何かが起こったのではないかと推測する。
面談の後、紀藤は紀藤の友人の須賀明弘と吾妻巡査も無事を知る。
しかし、星野沙希はリーパーにさらわれ、行方不明であった。
須賀に「何とかする」と約束をし、紀藤はリーパーと戦う決意を固める。
その後、彼はあるリーパーと面会することとなる。
そのリーパーは「変異種」(上位の個体で、強い自我を持つ)中でも変わり種で、自分の研究のため、人間に協力し、リーパーに関して彼女以上の専門家はいなかった。(後に「ミコ」と命名。)
彼女は紀藤に「祢々切丸(ねねきりまる)」の話をするのだが…」
・「第十二話 昔話」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2016年12月号)
「祢々切丸の話は「祢々」という化物が刀によって退治される話であった。
話には正確でないところがあるものの、「祢々」はリーパーたちにとって「母様」という存在で、リーパーたちは皆「黄泉返った元人間」らしい。
ミコは「キリ」について大きく興味を示し、紀藤に詳しい話をするよう頼む…」
・「第十三話 喰姫」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2017年1月号)
「紀藤から話を聞いた後、ミコは彼をある部屋に連れて行く。
そこはリーパーたちを研究する部屋であった。
そして、キリが椅子に拘束されていた。
ミコはキリを「母様」と呼び、キリを「祢々切丸」で刺す。
過去、この刀に刺されたことによって、キリは記憶を失ったというのだが…」
・「第十四話 前兆」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2017年2月号)
「キリは記憶を取り戻すも、同族を喰らう喜びを語り、そこにはあの優しさは一片も見当たらなかった。
更に、六城に向かい、リーパー狩りへの協力を提案する。
ショックはそれだけにとどまらず、紀藤はこれ以上、この件に関わることを禁じられ、連れ去られる。
だが、ミコはキリの演技を見抜いていた…」
・「第十五話 暗転」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2017年3月号)
「この事件の元凶となったリーパーを捕らえるため、六城を班長とした部隊が山中を追跡する。
この部隊にキリは参加していたが、罠にかけられ、部隊は全滅。
別部隊が救援に向かおうとした時、巨大なリーパーが現れる。
このリーパーこそが「リーパーの始祖」であった…」
・「第十六話 亡者」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2017年4月号)
「三か月前、ネットで話題になったスナッフ・フィルム。
この動画はすぐに消されたが、女記者の大沢は一連の騒動に疑惑を抱き、この裏により大きな事件が潜んでいるのではないかと考える。
調査を進めるにつれ、このスナッフ・フィルムの場所が大量に死亡事件が起きたある山中と関係があることを知る。
彼女はその地域に向かうのだが…」
・「第十七話 黄昏」(単行本B/「月刊ドラゴンエイジ」2017年5月号)
「紀藤は一度は普通の生活に戻るが、ある事件を機に、リーパー退治に命を賭けることを決意する。
彼はミコの指導により、身体を鍛え上げ、特定有害生物対策所に志願する。
そして、彼は再び、ことの発端である廃旅館に向かう。
発信機によると、ここにはキリがいるらしいのだが…」
・「第十八話 慟哭」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年7月号)
「廃旅館の前で、紀藤はリーパーたちのリーダーたちと対面する。
紀藤は自爆すると脅すが、リーパーのリーダーは彼に揺さぶりをかける。
その間に、紀藤を射殺する腹積もりであった。
だが、その場にねね様が現れる。
彼女は敵か、味方か…?」
・「第十九話 残火」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年8月号)
「廃旅館は「母様」(キリ)を頂点にするリーパーたちの根城であった。
リーパーたちと行動を共にするキリの思惑とは…?
また、ここには複数の人間が人質に取られていたが、星野沙希もその一人であった…。
一方、紀藤はねね様と話し合いをし、彼女から協力を求められる。
彼女にはケリを付けなければならない相手がいるというのだが…」
・「第二十話 送火」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年9月号)
「ねね様の作戦は山に火をつけて、廃旅館のリーパーたちを炙り出す事。
リーパーたちの選択肢は「迎撃」か「逃走」しかない。
武装したリーパーたちはねね様を殺しに行くも、ゲリラ戦の様相を呈し…」
・「第二十一話 姉妹」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年10月号)
「紀藤はリーパーのリーダーを追い詰める。
リーダーの正体とは…?
その頃、ねね様は巨大な「お母様」と激闘していた。
圧倒的なパワーを誇る「お母様」に対しては相討ちしか方法はない。
だが、自爆スイッチを押す直前、過去の記憶が脳裏をよぎる…」
・「第二十二話 契約」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年11月号)
「「お母様」は死んではいなかった。
それを知り、リーダーは狂喜する。
紀藤は彼を殺そうとするが、キリはそれを止める。
リーダーの目的とは…?
そして、キリは「お母様」を迎え討つ決意をする…」
・「第二十三話 終幕」(単行本C/「月刊ドラゴンエイジ」2017年12月号)
「お母様はボスの遺志を継ぎ、このままでは真の「悪鬼」と化してしまう。
この暴走を止める手立てはなく、キリは一か八かの賭けに打って出る。
また、紀藤は人質のための救援を呼んだ後、「お母様」が生き残ったケースのことを考え、山中に戻る。
彼は自分の血を用いて、「お母様」を誘導し、遂に彼女と出会う。
彼が死を覚悟した時…」
執筆が久々に難航しました。
A巻までは面白いのですが、B巻から意味不明な部分が多く、何回も読み返しました。
でも、やっぱり釈然としないままのところが多々あり、一応、粗筋を書いてみたものの、どれだけ理解してもらえるのか心もとないです。
とりあえず、疑問はいろいろありますが、何故、リーパーは男には女性に見えて、女には化物に見えるのか、説明がなかったのが残念です。(私の見落としかもしれないけど…。)
あと、吾妻巡査の扱いが悲しかったです…。
というワケで、個人的にはイマイチだったのですが、カバーを外した本体のおまけ漫画はとても笑えました。(特にB巻)
2024年4月4・5・16〜19日 ページ作成・執筆