藤子不二雄A「黒ベエA」(2002年8月28日第1刷発行)

・「第4話 車こそわが命」(「少年キング」1969年42〜46号掲載)
「巨漢の妻と我儘な息子からのプレッシャーに耐えかね、細井は月賦で中古車を買う。
 しかし、安物だと家族はいい顔をせず、遂に、細井は逆上して、一人暴走。
 これがストレス解消となり、以来、細井は車に夢中になる。
 車内で過ごす時間は彼にとって平和な時間で、身も心もリラックス。
 更に、彼は車でひったくりの逮捕に協力したことから、家族や会社から賞賛を浴びる。
 だが、好事魔多し…」

・「第5話 ハゲベエと黒ベエの場合は」(「少年キング」1969年47〜51号掲載)
「ハゲベエと喧嘩をした黒ベエは、ハゲベエを動物園のコンドルと取り替える。
 しかし、ハゲタカはずっと安楽な動物園育ちのため、横着極まりない。
 黒ベエがハゲタカを手放したいと思っていた時、鳥餅トリオ(14歳)という少年がそれを購入する。
 祖父、タカエモン(79歳)へのプレゼントのため、というのは表向き、実際は、祖父の死を占うためであった。
 トリオに限らず、屋敷に住む家族や親戚連中は、タカエモンの財産を狙って虎視眈々。
 そんな中、タカエモンは、自分とそっくりなハゲタカに感激し、ハゲエモンと名付け、家族の一員に加える。
 だが、彼は、遺産を狙う家族や親戚連中に疲れ果て、もはや限界。
 彼はハゲタカと入れ替わることを望むのだが…」

・「第6話 梶一郎の受難」(「少年キング」1969年52号〜1970年3号掲載)
「平凡なサラリーマン、梶一郎の災難は、満員電車の中で黒ベエの靴を踏んだことに端を発する。
 会社にかかってきた、警察からの電話に加えて、彼宛ての無言電話。
 そして、ハゲタカの顔をした、謎の面会人。
 梶一郎は、機動隊にこっそり石を投げつけたことが原因ではないかと考え、気が気でない。
 社長を激怒させ、彼は自宅に謹慎を命じられるが、彼の災難はまだ、これからであった…」

 個人的なお気に入りは「ハゲベエと黒ベエの場合は」。
 鳥をモデルとした、個性的な登場人物達がドタバタする様は、藤子不二雄A先生の絵柄と相まって、ウィットに富んでます。

2020年1月8・9日 ページ作成・執筆
2021年5月11日 加筆訂正
2022年1月2日 加筆訂正

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