小室孝太郎
「ミステリオス@」(1976年9月15日初版発行)
「ミステリオスA」(1977年1月20日初版発行)

・単行本@(「週刊少年ジャンプ」連載)
「仁外悟郎は二度蘇生した過去のある不良学生。
 二度目の蘇生の際には、彼の背中に十文字のアザができ、いろんな医者が診たが、理由は不明のままであった。
 ある日、彼が学校をさぼっていると、彼を呼ぶ声が聞こえる。
 その声は、彼の指導霊、メビウスのものであった。
 メビウスは、百年の間にこの世に溢れた、迷える魂を導くために精霊の国からやって来て、悟郎は、生き返った時の約束で、彼の手伝いをしなければならない。
 悟郎の助手を務めるのは、額に十字を持つ黒猫の「タシテ・アンダスタ・デング」(少年の姿にもなる。自称「メビウスの一番弟子」)。
 彼の初仕事は、敏夫という七歳の少年で、彼には夜の帝王「東京カポネ」の霊が憑いていた。
 敏夫は部下の経営するキャバレーに乗り込み、その貫録でボスの座に返り咲く。
 更には、昔の隆盛を取り戻すべく、交番を次々と襲撃し、盛り場を支配下に置く。
 悟郎は子分達を使って、敏夫に立ち向かうのだが、妹のチー子を人質に取られ…」

・単行本A
「悟郎とタシテが夜の見回りをしていると、二件の殺人事件に遭遇する。
 一件は若い女性が喉を切り裂かれ、もう一件は男性が首をもがれていた。
 犯人は巨大な怪物のようなもので、悟郎はその場から逃げて、離れたところから様子を見ると、怪物は姿を消す。
 悟郎が訝っていると、都会の真ん中で、様々な動物が道路を歩いていくのが見える。
 更に、悟郎の妹のチー子に異変が起こる。
 発端は、チー子が可愛がっていたライダーという犬が、としおという少年がけしかけた犬を?み殺したことにより、保健所で処分されたことであった。
 その後、巨大な怪物に保健所の職員やとしおの一家は惨殺され、チー子は夜な夜なライダーの幽霊と外出するようになる。
 チー子はすっかり性格が変わり、人間に対する敵意をむき出しにするが、何かにとり憑かれているようであった。
 ある夜、悟郎はチー子とライダーの幽霊の後をつける。
 墓場には種々雑多な動物の霊が集まり、チー子とあの怪物がいた。
 悟郎とタシテは怪物と戦うことになるのだが…。
 怪物の正体とは…?
 さて、また別のエピソード。
 悟郎は、一中の卓球部の助っ人をすることとなる。
 一中の卓球部のライバルは、二中の木島を主将とする番長グループであった。
 木島は見た目はインテリっぽいが、卓球が抜群にうまく、空手もやっていた。
 しかも、彼が想いを寄せていた少女は木島の娘で、彼女の前で、木島に恥をかかされる。
 悟郎は卓球の猛特訓に励むのだが…。
 その頃、彼には奇妙なものが視えるようになる。
 それは人の頭の上に乗っている砂時計なのだが…」

 「週刊少年ジャンプ」に連載された力作です。
 ただし、途中で打ち切られたのか、三話しかありません。(単行本未収録作品があるのかもしれませんが…。)
 しかも、三話目は最初の二話と違って、路線を修正したのか、スポ根ものになってます。
 三話の中で最高傑作は単行本Aの最初のエピソードで、「猛獣大脱走」な殺戮もあって、なかなか楽しいです。

2022年9月15・16日 ページ作成・執筆

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