中山市郎・原作/千之ナイフ・作画「怪異実聞録 なまなりさん」(2009年8月31日発行)
「幸せな結婚を目前としながらも、石垣島の於茂登の滝から身を投げた白石沙代子。
次女の今日子と三女の雅子は、婚約者の健治と、彼の上司に当る伊東礼二からことの経緯を聞く。
資産家の娘、島本鈴江・香奈江の双子姉妹が健治に横恋慕したことから、沙代子は二人から執拗な嫌がらせを受けていた。
遂には、アパートのドアの前に、犬の生首が置かれているという事件まで起き、沙代子は精神を失調、誰の前にも姿を現さなくなり、やがて行方不明…そして、自殺体として発見されたのだった。
そして、沙代子が最後に健治に当てた手紙には、双子姉妹へ対する恨みが書かれていた。
今日子や雅子、健治達は、沙代子のアパートを整理するために訪れるが、押入れの天井裏から妙なものを発見する。
それは針をいくつも打ち込んだ、双子姉妹の名前を貼り付けた二体の藁人形と、不気味な能面。
その能面は「生成(なまなり)」というもので、「般若になる手前のさまを表す怨霊の面」で、「角が少しはえかけているが、まだ『人』」であり、「不安・恐れ・怨みありとあらゆる負の感情に苛まされ、『人』を失いかけている者の姿」なのだという。(マンガより引用)
とりあえず、今日子と雅子の姉妹はそれらを寺で焼いて供養しようとするが、能面だけがそこになかった。
能面を処分しようとしても、いつの間にか家に戻っている。
そして、次女の今日子の様子がますますおかしくなってくる。夜になると、「生成」の能面をつけ、双子姉妹への呪詛を吐き続けるのだった。
一方、沖縄出身で退魔師でもある伊東礼二のもとに、ことの張本人である双子姉妹の姉、島本鈴江から連絡がある。
双子姉妹の身辺で、奇妙なことが続発し、妹の香奈江はノイローゼ気味だと言う。
遂には、伊東礼二や三女の雅子は沙代子の怨霊を供養しようと、双子姉妹の出身地の新潟に赴くことになるが、そこで、過去の恐ろしい因縁の数々が明るみに出るのだった…」
平成27年1月22日 ページ作成・執筆